SiTimeは3月27日(米国時間)、スマートフォン/タブレット市場をターゲットに水晶振動子の置き換えを狙った32.768kHzのMEMS発振器「SiT15xx」を発表した。

同製品は電源電圧1.2~3.6Vで稼働し、1.5mm×0.8mm CSPパッケージを採用した「SiT1532」と2.0mm×1.2mm SMDパッケージを採用した「SiT1533」、ならびに両パッケージに対応しながら、1kHz~32.768kHzの範囲で周波数選択が可能な「SiT1534」の3製品が用意されているほか、リチウムイオンバッテリー向けに2.7~4.5V動作に対応し、3製品と同等性能品「SiT1542/43/44」も用意されている。

1.5mm×0.8mm CSPパッケージと2.0mm×1.2mm SMDパッケージを採用した合計6製品をラインアップ

消費電流は0.75μA(Typ)で、パッケージ厚はいずれも0.55mm。周波数安定度は±20ppm@20℃/±100ppm@-40~+85℃となっており、水晶振動子とピンコンパチであるためCSPパッケージ品を用いることで、市販されている最小クラスの水晶振動子製品ソリューション(3デバイス構成)を1チップで置き換えることができ、最大70%のスペース削減が可能になるという。

SiTimeのMEMS発振器の概要

水晶デバイスの市場は全体で50億ドル程度。そのう内訳は振動子が20億ドル、発振器が20億ドル、そしてクロックジェネレータが10億ドルとなっているが、「SiTimeはMEMSの振動子とアナログ半導体技術の両方を有しているため、そのいずれの分野にも対応した製品を提供できる」とする。ちなみに、同社製品の日本での出荷は2008年以降で、2012年までに累計2000万個の出荷を達成したという。POSシステム、ATMなどの産業機器から導入が開始し、2011年ころからデジタルカメラやモニタ、監視カメラなどのアプリケーションへの導入が進んできており、32kHz対応製品の投入によりRAIDシステムやサーバ、通信基地局、SSD/HDDなどへの搭載が進むものとの期待を示す。

SiTimeのMEMS発振器と水晶デバイスの比較

なお、「SiT1533」はすでにサンプル出荷を開始しているほか、「SiT1532」は2013年5月からのサンプル出荷の開始が予定されているという。