Texas Instruments(TI)は、高い効率と電力密度、および広い入力電圧範囲が特徴の同期整流昇圧型コントローラ「LM5122Q」、「TPS43060」、「TPS43061」の3品種を発表した。

3品種は、還流ダイオードに替えて同期スイッチを採用しており、非同期昇圧型コントローラ製品に比べて、効率を最大10%向上させている。また、無損失インダクタDCR電流センシングにより、効率の向上と発熱の低減を実現したことで、基板面積と原材料コストの低減が可能となる。さらに、過熱シャットダウン、周波数同期、ヒカップモード電流制限、可変電圧低下ロックアウト機能を備えている。

マルチフェーズ昇圧型コントローラ「LM5122Q」は、入力電圧範囲が3~65V、出力電圧範囲が最大100VのAEC-Q100車載規格準拠の同期整流昇圧型コントローラであり、発進・停止時電圧安定回路や高出力オーディオアンプなどの高電力用途に必要なインターリーブドマルチフェーズ動作のための回路構成が簡単なのが特徴となっている。また、3Aゲートドライブ回路は最大16Vの電圧をサポートしており、効率とサイズの最適化のための柔軟な調整ができる。

同期整流昇圧型コントローラ「TPS43060/43061」は、500μAと低い静止時電流を特徴とし、入力電圧範囲は4.5~38V、出力電圧範囲は最大60V。最大1MHzの動作周波数により、小型インダクタとセラミックコンデンサの使用が可能で、ソリューション全体のサイズを低減できる。「TPS43060」は広範な低コストMOSFETを駆動する7.5Vのゲートドライブ機能を備えている。一方、「TPS43061」は、同社の同期整流降圧型NexFETパワーブロック「CSD86330Q3D」などの低ゲート容量MOSFET向けに開発された5.5Vのゲートドライブ機能を提供し、基板面積を50mm2低減することができる。

なお、「LM5122Q」は2013年第2四半期に、サンプル供給および量産出荷を開始する予定。パッケージは6.5mm×4.4mm×0.9mmの20ピンTSSOP。価格は1000個受注時で2.10ドル。「TPS43060」と「TPS43061」は量産出荷中。パッケージは3mm×3mm×0.75mmの16ピンQFN PowerPad。価格は1000個受注時で1.40ドル。

TIの同期整流昇圧型コントローラ「LM5122Q/43060/43061」のパッケージイメージ