5人のプロ将棋棋士がコンピュータ将棋ソフトと団体戦で戦う「第2回将棋電王戦」が3月25日に開幕、人間対コンピュータという歴史に残る戦いの火蓋がついに切って落とされた。

第一局・阿部光瑠四段 VS 習甦では阿部四段が勝利し、まずプロ棋士側が先勝したかたちとなったが、終局と同時にニコニコ動画で公開された「第2回将棋電王戦」第二局 佐藤慎一四段 VS PONANZAのPVが「かっこよすぎ」「泣ける」「いいPVだ」と早速話題となっている。

「第2回将棋電王戦 第二局 佐藤慎一四段 vs ponanza PV」より

第一局時に東京・六本木のニコファーレで行われた大盤解説会でも、解説の阿久津主税七段が「映画みたいですね」「棋士がカッコよく描かれてます」と舌を巻いていたこのPVは、各対局ごとに制作され、現時点では第一局・阿部光瑠四段 VS 習甦、第二局・佐藤慎一四段 VS PONANZAの2つが公開。第1弾は「このままじゃみんないかんと思ったでしょう」「おい、みんながんばれよ」という日本将棋連盟前会長 故・米長邦雄氏のメッセージを導入に非常に高いクオリティを誇っていたが、今回公開された第2弾もそれに勝るとも劣らない完成度となっている。

第2弾PVで「26歳 年齡制限ギリギリでプロとなった遅咲きの勝負師」というコピーで紹介される佐藤四段は、これまでにもニコ生解説などで自慢のギターを披露しており、「ギターの棋士」「サトシン」「ギタシン」といった愛称で親しまれている。公開されたPVでも尾崎豊の「僕が僕であるために」を弾き語りで歌い、子どもたちと触れ合う佐藤四段の姿――そこに突如「いや だってこれ何ですかね、1億ノード……違うな、ん?」第二局のコンピュータ側「ponanza」制作者山本一成の映像がカットイン。コンピュータ、テクノロジーという繋がりから音楽には、フランスのエレクトロ・デュオ、ダフト・パンクの楽曲「Human After All」を使用するなどなかなかのこだわりようで、佐藤四段の漂う哀愁と対する山本一成の温度差がよく表現されるとともに、第二局への期待感を否が応にも掻き立てる仕上がり。このPVの中で、佐藤四段は「(故・米長邦雄氏にむけて)捧げるというか、遠くから見てるとして、"勝ったぞ"ということは言いたいですね」と話している。

4月20日まで開催される「第2回将棋電王戦」は、第22回世界コンピュータ将棋選手権で好成績を挙げた上位5チームの最強コンピュータと、現役のプロ棋士5人による史上初の団体戦。1日1組の対戦で全5局を実施し、結果3勝した方が勝者となる。持ち時間は人間側、コンピュータ側ともに4時間。「その棋士は 救世主か? 犠牲者か?」――第二局は3月30日、佐藤慎一四段 VS ponanzaの対局となる。

「第2回将棋電王戦 第二局 佐藤慎一四段 vs ponanza PV」