京阪電気鉄道はこのほど、運営体制の効率化の一環として、宇治線(7.6km)を6月1日よりワンマン化すると発表した。同社としては京津線、石山坂本線、交野線に続いて4路線目のワンマン化路線となる。

写真は京阪電気鉄道が実施する事故復旧訓練の様子

同路線ではワンマン化に向け、約4億円を投じて安全対策を実施。各駅ホームにミラーやモニターを新設したほか、ホーム異常通報装置の設置、足下灯照明のLED点滅化などの整備を実施。電車においても運転士異常時列車停止装置と列車防護無線の連動化、ホーム検知装置といった安全対策を行い、事故の防止と安全運行に備える。ワンマン運転に対応した新型車両13000系5編成(20両)は導入済みで、2012年春より順次営業運転を開始している。

京阪電気鉄道はその他、新型ATS(自動列車停止装置)の導入や、災害・事故などに備えた訓練の実施を含む「安全・安心」を確保する取組みについても概要を発表している。新型ATSは、地上から伝えられる信号などの情報と車両に記憶された路線の情報にもとづき、自車の制動性能と走行距離から上限速度を算出する「多情報連続制御式」。踏切やホームでの異常発生時にも対応する機能を持つ。2014年度に深草~出町柳間で使用開始し、2016年には京阪線全線への導入を完了する。

訓練については、それぞれ重大な事態を想定した災害対応訓練と事故復旧訓練を年1回ずつ実施。地震や火災などの発生を想定し、駅と駅に隣接するグループ商業施設などが合同で災害対応を訓練する「複合利用鉄道施設防災訓練」も、年数回程度実施するとしており、2013年度は8カ所で訓練計画を策定中だという。