東映は12日、3月30日に公開されるアニメーション映画『ドラゴンボールZ 神と神』の公開に先がけて、全国5カ所で一斉に完成披露試写会を開催し、東京・新宿バルト9で行われた舞台あいさつには、主演の野沢雅子に加え、ゲスト声優として参加したロンドン五輪柔道女子57キロ級金メダリストの松本薫選手、タレントの中川翔子が登壇した。

左から松本薫、野沢雅子、孫悟空、中川翔子

まず、野沢が「オッス! オラ、悟空! 」とあいさつすると、自他共に認める『ドラゴンボール』オタクの中川は負けじと「皆さん、高まっていますか? 気をためていますか? 全人類・全宇宙待望の、『ドラゴンボール』がついにキター!」とあいさつし、初っ端からハイテンションで観客を煽っていく。すでに原作者の鳥山明と本編を鑑賞したという野沢は、「映画が終わって明かりがついた瞬間、思わず『かっこいい! 面白いですね!』と言ってしまった。鳥山先生も『面白いです。これは僕の世界です』と絶賛していました」と振り返り、観客は拍手喝采で応えていた。それを聞いた中川は「まさに『神と神』ですね!」と本作のサブタイトルとかけた発言で観客をうならせるとともに、先日会うことができたという鳥山について「もうガクブルでございました。『ドラゴンボール』のおかげで私の細胞・脳・人生は勇気をもらって……」と興奮気味に話すも、「結局、盛り上がったのはブルースリーと猫の話でした……」としっかりオチをつけ会場の笑いを誘う。

今回、声優に挑戦した中川は「タレント声優が登場したことは、今までの『ドラゴンボール』シリーズの歴史でもなかったこと。絶対、鳥山先生の世界に溶け込もうと"しょこたん"の気を消し去って挑戦しました」と本作へかける想いを明かした。一方、松本は「白帯でした。何度もやり直しましたが、まだまだです」と振り返ったが、野沢は「初挑戦で心配したが、本当にすばらしかった。監督はプロの私たちにも何度もやり直しさせるんです」とやさしくフォロー。また、『墓場の鬼太郎』で共演している野沢は、中川に対し「『墓場の鬼太郎』の時は"しょこたん"とわかりそれはそれでよかったのですが、今回は完全に消えてます。すばらしかった!」と絶賛。感極まった中川が「もったいなきお言葉……」と、崩れ落ちながら野沢を拝みたおす一幕も。

その後、松本には司会者からの「悟空と戦うのなら、どの技で挑みますか?」という質問が。「え? 空を飛んでいるのに?」と見事な切り返しを見せつつも、「やっぱり一本背負いです」と回答。さらに日頃から「『ドラゴンボール』を義務教育にすべき」と発言している中川は「今や『ドラゴンボール』は地球を1つにする力がある。海外のファンもたくさんいて、世代・性別・人種を越えて笑顔になれる作品。松本さんの『悟空を見て強くなりたかった』という言葉もすごく好きです」と、『ドラゴンボール』がいかにすばらしいかを力説した。

「もしドラゴンボールで願いがかなうなら?」という質問に、野沢は「この地球がある限り、悟空と一緒にずっと『ドラゴンボール』をやっていきたいです」と宣言し、中川は「歴史に残る名言が飛び出したー!」と大興奮。また、中川は「ベジータ様とトランクスの親子に私を取り合ってもらいたい……と言いたいところですが、今日限りでその邪念を捨てて、野沢さんに不老不死になってもらいたいです」と回答。野沢から「ありがとうございます」と何度も感謝されていた。そして、松本は「勝負師なので無敵です。でも、婚期が遅れるので少し無敵で」とコメント。司会者からは「婚活も含めて無敵にしてもらえばいいのでは?」とのアドバイスを受け、観客から応援の意味を込めた拍手喝采が届けられた。

最後のあいさつで野沢は「親子で見てきてくれる人は多いと思いますが、ぜひおじいちゃんを含めて親子三代、さらに親子四代で映画を見てもらい、楽しさとすばらしさを伝えてほしい」とメッセージを送る。その後、東京会場では、野沢による「かめはめ波」講座が実施され、かめはめ波をうまく出すコツは「手が斜め上へ行くように突き出す。また、かめはめ"はー!"ではなく、お腹のあたりから『フゥワー!』と声を出してください」と観客に伝授。最後のフォトセッションでは、孫悟空も姿を現し、会場400人のかめはめ波が新宿に炸裂した。紙吹雪が会場に舞い、大盛り上がりのままイベントは幕を閉じた。

『ドラゴンボールZ 神と神』は、原作者の鳥山明自らが、原作・ストーリー・キャラクターデザインに関わり、17年ぶりとなる劇場版アニメの最新作。舞台は、アニメーションシリーズ『Z』と『GT』の間、つまり原作517話で魔人ブウとの戦いが終わった後から518話までの空白の10年の間のエピソードであり、長い眠りから目覚めた全宇宙のバランスを保つ破壊の神・ビルスと悟空たちZ戦士の戦いが描かれる。

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