ホクトは3月13日、マイタケとアガリクスが、花粉症などのアレルギー症状を改善させる可能性があることを示す研究結果を得たと発表した。

同成果は同社研究チームと東北大学大学院薬学研究科 生活習慣病治療薬学分野の平澤典保 教授らによるもので、詳細は3月29日にパシフィコ横浜にて開催される「日本薬学会第133年会」において発表される予定。

花粉症などのI型アレルギー症状は、皮膚や粘膜中のマスト細胞に抗原(花粉など)が結合し、マスト細胞が活性化し、炎症を促進するヒスタミンや、IL-4、IL-13などのサイトカインを分泌することで引き起こされる。

今回の研究では、実験としてマイタケとアガリクスをエタノール抽出したものを、さらに酢酸エチルで抽出して得た脂溶性成分を用いて、ラット由来のマスト細胞株(RBL-2H3)に加えて20分培養後、抗原刺激が行われた。

抗原としては「DNP-HSA(ジニトロフェノール-ヒト血清アルブミン)」が用いられ、抗原刺激後40分後に培養液中のヒスタミン濃度と、4時間後に炎症性サイトカインであるIL-4とIL-13の遺伝子発現量を測定したところ、あらかじめマイタケとアガリクスの抽出物を与えたマスト細胞は、抗原刺激後のヒスタミン分泌量が有意に抑制されることが示されたほか、炎症性サイトカインのIL-4とIL-13の遺伝子発現量も有意に抑制されることが示されたという。

研究グループでは、今回の成果はラット由来の培養マスト細胞で得られた結果であり、実際に食べて効果があることを実証するためには、動物への投与試験、人での治験が必要だとしているが、マイタケやアガリクスの成分を活用することで花粉症をはじめとするアレルギー症状を改善することが可能になる可能性が示されたものであるとコメントしている。

マスト細胞の働きとマイタケとアガリクスの作用

実験による抗原刺激後のヒスタミン分泌量(n=3、*が有意差あり P<0.01)