東京都は11日、日本TCGF(The Consumer Goods Forum)と、災害時における物資調達に係る協定を締結したと発表した。特定業種の業界団体等ではなく、複数の業種にまたがった企業グループとの協定締結は、都としては初の取り組みとなるという。

日本TCGFとは、消費財流通業界の日本企業が中心となり、国内での非競争分野における共通課題の解決に向けて、製造・配送・販売の協働取り組みを行う組織。東日本大震災からの復旧、復興を主な目的として2011年8月に設立され、震災対策共有化プロジェクトなどの活動を展開している。

今回締結した協定では、製造・配送・販売事業者が参画する全国に流通ネットワークを有する企業グループとの協定締結により、被災者の多様なニーズに対応するための調達体制を強化。調達の対象となる主な物資は、食料・飲料水では、おにぎり、パン類、精米、レトルト食品、粉ミルク、菓子類、飲料水、お茶など、生活必需品では、紙おむつ、ウェットティッシュ、タオル、肌着、生理用品、哺乳瓶、ラジオ、乾電池、箸、履物、簡易コンロなどとなる。

物資調達の際は、日本TCGFの代表窓口を通じて情報収集などを行うなど、効率的な連絡体制を構築し、円滑に調達オペレーションを遂行。また、都側も日本TCGFに対して、物資の供給がスムーズに行われるよう、輸送ルートとなる道路の被災状況に関する情報を提供するなどして、相互に協力する。

物資調達体制の概要を説明すると、まず都は区市町村からの要請に基づき、日本TCGF代表窓口に物資を要請。代表窓口は参加企業に都からの要請内容を伝え、要請に対する各社の回答を取りまとめて都に情報提供する。その後、都は代表窓口からの情報を元に、参加企業の中から発注先を選定して物資を発注し、受注企業は指定された場所に物資を配送する仕組み。

協定による物資調達体制の概要(出典:東京都Webサイト)

協定参加企業は、アサヒグループホールディングス、味の素、イオン、イズミヤ、伊藤園、伊藤忠食品、花王、加藤産業、キユーピー、キリンホールディングス(キリン)、国分、サッポロホールディングス、サントリー食品インターナショナル、資生堂、西友、日清食品ホールディングス、日本アクセス、日本コカ・コーラ、Paltac、ひかり味噌、明治、三菱食品、森永製菓、森永乳業、雪印メグミルク、ライオン、ライフコーポレーション、ローソンの計28社。