ご当地キャラって本当に経済効果があるの?

 

静岡県浜松市の「出世大名家康くん」

「ゆるキャラ」の中には超有名キャラがいる一方、イマイチ浸透していないキャラも……。今やどの県にもどの市にもいるほどですが、本当に経済効果はあるのでしょうか。

そこで今回は、キャラクターに詳しいキャラクター・データバンクの陸川和男さんにお話をお聞きしました。

日本人はキャラクターが好き!

――すっかりおなじみの存在になりましたが、そもそも"ゆるキャラ"とは何でしょうか?

「これは難しい質問です。みうらじゅんさんが命名したというのは有名な話ですが、一般的に"ゆるキャラ"は、ご当地キャラクターに使われている呼称ですね」

――なぜここまで全国にゆるキャラが広まったのでしょうか?

「もともと日本人はキャラクターが好き。当社が調査をした際には、65歳以下の8割弱がキャラクターを好きであると答えています。そんな日本人の気持ちにぴったりだったんでしょうね」

――日本にはさまざまなキャラクターがいますが、なかでもゆるキャラが人気の理由は何ですか?

「見た目のかわいさはさることながら、そのゆるいキャラクター設定や、本来ありえない姿のために、友達とメールやSNSで話題にしやすいのも人気の理由ではないでしょうか。

例えば、静岡県浜松市の"出世大名家康くん"はとても愛らしい見た目ですが、ちょんまげがうなぎになっていたり、着物の裾がピアノの鍵盤の柄になっています。よく考えればすべて浜松ゆかりのものなのですが、"ありえなさ"のために"つっこみどころ"が満載なんです。そうすると、話題にしたくなりますよね。

そんな風につっこみやすくて話題になったキャラクターといえば、奈良県のマスコットキャラクター"せんとくん"が筆頭にあげられます。ゆるキャラかといえば疑問はあるものの、"マスコットなのにかわいくない"とみんなにつっこまれることで全国区の人気者になったことには間違いありません」

そういえば、友達でもちょっとおとぼけな、いじられキャラのほうが人気者になったりしますね。キャラクター界もそんな感じかもしれません。

ゆるキャラビジネスは甘くない!?

――ゆるキャラ人気は高まっていますが、みんな成功しているわけではないですよね? せつない結果になっちゃったキャラクターもいそうですが……。

「正直、全国のゆるキャラのうち成功しているのは、熊本県の"くまモン"や滋賀県彦根市の"ひこにゃん"、愛媛県今治市の"バリィさん"など一握り。忘れ去られていくキャラクターのほうが多かったりするのは事実です」

――ゆるキャラも成功するのは、なかなか大変なようですね。ところで、いいキャラさえ作れれば、後は順風満帆なんでしょうか?

「作っただけではダメで、いかに自治体の人たちの努力で一般にアピールしていくかにもかかっています。それには地元の人たちの盛り上がりが大切です。くまモンもひこにゃんも地元の街に行くと、それはもうあちらこちらでグッズが販売されていたり、人形が飾られていたりして、それを見た観光客の口コミによってさらに人気が広まっていくわけです」

――地元に愛されてこそ、なんですね。そんな風に地域で育てられていくゆるキャラですが、自治体にとって作っただけの効果はあるのでしょうか?

「一概にはいえません。成功か失敗か? の判断すらつかないゆるキャラも多いと思います。

また、通常キャラクターはロイヤリティーで収入を得ますが、ご当地キャラの多くは管轄している自治体に申請し、その使用方法が問題なしと判断されれば、誰でも無料でそのキャラクターを使用できることがあります。その場合は直接、自治体が儲かるということはありません」

――なぜロイヤリティーが発生しなくてもOKなのでしょうか?

「自治体が主導ですから、本来、営利目的ではないということもありますし、自由に使ってもらうことによるPR効果のほうが大きいと判断されていると思われます。

ご当地キャラの使命はなんといっても、その地域や名産品を有名にし、観光客を呼び込んだり、経済的効果を上げることだからです」

――ただし、ロイヤリティーが発生しないからといって、損をしないとふまなければ商品は作られないのだとか。ちなみに昨年暮れの熊本県の発表によると、「くまモン」関連商品の売上高は昨年の1~6月の間に118億円もあったそうですね。

「儲かるから多くの企業が商品を作る。それがさらに、そのキャラクターの知名度をあげることにつながっているんです」

自由度をあげて多くの人が親しめるようにしたことで、自然と世の中に認知されてきたゆるキャラ。次なるゆるキャラ界のスターが、静かにどこかの地方で生まれかけているかもしれませんね。

■プロフィール
陸川和男 株式会社キャラクター・データバンク 代表取締役社長、産業能率大学 デジタルコンテンツラボ 客員研究員。

1962年4月東京生まれ。広告・マーケティングの専門誌の編集者、マーケティング会社の研究員等を経て、2000年7月、株式会社キャラクター・データバンク(CDB)設立。2002年10月より同社代表取締役社長。CDB事業の統括を行うかたわら、企業のアドバイザー業務ほか、キャラクタービジネスのアナリストとしてTV・雑誌等でのコメンテーターや執筆、講演活動なども行う。2002年7月には、世界最大のライセンス協会LIMA(国際ライセンシング産業マーチャンダイザーズ協会)を日本に誘致し、LIMA日本支部を設立した。著書には、「図解でわかるキャラクターマーケティング」(共著/日本能率協会マネジメントセンター)等がある。

(OFFICE-SANGA 平野智美)

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