凸版印刷と英Plastic Logicは3月4日、42型フレキシブル大型デジタルサイネージの試作品を発表した。40型以上のサイズで、有機TFTを採用したフレキシブル反射型デジタルサイネージは、世界で初めてだという。

今回開発された試作品は、Plastic Logicのプラスチック基板を採用した10.7型モノクロフレキシブルディスプレイ16枚で構成されており、縦4枚×横4枚でタイル化することによって、有効画素ピッチ0.7mmの42型ディスプレイを実現した。既存の電子ペーパーサイネージに比べて約6倍高精細であり、近距離からの利用に適しているという。

また、電子ペーパーの画像保持性により、通電しなくても画面に画像が残るため、消費電力が非常に低いという特徴がある。さらに、紙と同様に反射型表示であるため、照明環境に関わらず、明るい太陽光の下でも読みやすく、視野角に依存しないため、屋内外を問わず、デジタルサイネージに最適となっている。

フレキシブル電子ペーパーサイネージは、最薄部で厚さ3mm以下、かつ軽量なため、ポスターのように壁にかけるなど、新しい用途を拡げられる可能性を持っている。例えば、公共施設などにおいて、通常は催事などの情報を表示し、非常事態が発生した際は、超低消費電力のためバッテリー駆動に切り換え、災害関連情報を表示するといった使用方法が想定されるとしている。

凸版印刷では、2004年以来、大型電子ペーパーサイネージを開発しており、さまざまな用途で実績がある。一方、Plastic Logicは、2007年以来、有機TFTを用いたフレキシブルプラスチックの開発を進めており、量産可能な有機エレクトロニクスを製造している唯一のメーカーという。カラーとモノクロの2つのタイプがあり、さまざまなサイズのフレキシブルプラスチックディスプレイを現在生産中。今後、両社はフレキシブル大型電子ペーパーサイネージの用途開発を行い、モジュラー構造によってさまざまなサイズの製品を提供していく予定。

フレキシブル42型電子ペーパーサイネージの試作品