検出したサンプル数の割合は4.4%から1.8%に低減

日本生活協同組合連合会は27日、「家庭の食事からの放射性物質摂取量調査」2012年度全体の結果を公開した。同調査の目的は、一般家庭の日々の食事に含まれる放射性物質の量を科学的に調査し、被災地を中心に実際の食事と使用した食材に関する情報や食事に対する意識の実情を把握すること。さらに同連合会では、調査結果や関連情報を広く消費者へ分かりやすく提供していくことで、現状を正しく理解するための助けとしたいとしている。

同調査は2012年5月28日から2013年2月4日にかけて、岩手、宮城、福島、群馬、栃木、茨城、埼玉、東京、千葉、神奈川、新潟、長野、山梨、静岡、愛知、岐阜、三重、福岡の18都県を対象に、456世帯671サンプル(内、福島県は157世帯200サンプル)で実施。各家庭2日分の食事(6食分と間食)を1サンプルとして、すべて混合し測定した。測定物質はセシウム134、セシウム137、カリウム40。参考値としてヨウ素131も測定したが不検出だった。

実態をより詳細に把握するためにサンプル数を倍増

同調査は、前年度の調査から対象地域は変わらず、東北、北関東を中心に実施数を250サンプルから671サンプルに増やした。食事1kgあたりの放射性セシウムは、不検出が全体の98%、659サンプルとなった、検出限界である1Bq/kg以上の検出が見られたのは12サンプルとなり、都県別には福島県9サンプル、宮城県2サンプル、東京都1サンプルだった。

また、前年度と比べ、検出限界以上を検出した割合は4.4%から1.8%へと低減し、最大値も11.7Bq/kgから4.2Bq/kgと減少した。

セシウム検出値から年間の推定内部被ばく線量を算出

同調査で、放射性セシウム検出最大値だった食事を仮に1年間継続して食べ続けた場合、食事からの内部被ばく線量は、0.041mSvと推定される。この結果は、昨年4月に施行された基準値の根拠である「年間許容線量=1mSv」に対して4.1%にあたるという。同様の計算を検出した全サンプルで行ったところ、内部被ばく線量は0.019mSvから0.053mSvとなり、最大でも年間許容線量の5.3%と推定される。なお、セシウム137が検出され、セシウム134が検出限界未満の場合は、セシウム134が検出限界と同じ1Bq/kg含まれていたと仮定して内部被ばく線量を算出している。

食事からの内部被ばく線量は基準値の数%にとどまる

原発事故に関係なく食品中に含まれる放射性カリウム(カリウム40)は、すべてのサンプルから9.9Bq/kgから55Bq/kg検出され、1年間の内部被ばく線量では0.037mSvから0.32mSvとなり、前年度と同程度の結果となったという。