歌舞伎俳優の尾上菊之助が26日、歌舞伎俳優・中村吉右衛門の四女・瓔子(えいこ)さんと東京・神田明神で結婚式を挙げた。

神田明神で結婚式を挙げた尾上菊之助と瓔子さん

神前式の新郎新婦の入場である参進の儀で、2人が境内に現れると、集まった約500人のファンからは両家の屋号である「音羽屋!」、「播磨屋!」の声や祝福の拍手が上がり、菊之助は笑顔を見せるも、白無垢姿の瓔子さんは緊張の面持ち。社殿内では、菊之助の父・尾上菊五郎や母・富司純子、姉・寺島しのぶ&ローラン・グナシア夫妻と息子の眞秀くん、瓔子さんの父・中村吉右衛門ら、両家の親族のみで挙式が厳かに執り行われた。また、式後は神田明神の氏子である築地市場の魚河岸会による神田明神の神輿が参列者の前で披露された。

結婚式終了後、報道陣の取材に応じた菊之助は「たくさんの方が来て下さり、魚河岸の方たちの神輿もあり、役者らしい賑やかな式になりました」と満面の笑みで、「祝詞と三々九度で、結婚したことを実感しました。最高におめでたい婚です!」と晴れやかな表情。瓔子さんは「緊張しましたが、和康(菊之助の本名)さんの奥さんになれました」とはにかみ、「お母様に助けて頂きながら、寺嶋家を支えていきたい」と妻としての決意を。両親へのあいさつは済ませたそうで「昨日の夜、話しましたがちゃんと伝わったかどうか……。内容は恥ずかしいので、言えません」と話す瓔子さんに、報道陣が父・吉右衛門が涙ぐんでいたことを伝えると「花粉症じゃないかと」と照れ笑いを浮かべていた。

同居はこれからという菊之助は「『おかえりなさい』や『いってきます』と言える人がいるのは有難いですね。お互いに支え合って、2人で家庭を築いていきたい」と話し、「ローストビーフを作ってくれると言ってましたから、楽しみです」と瓔子さんの手料理を楽しみにしている様子。「みなさんに可愛がっていただけるように2人で頑張っていきたい」と意気込む菊之助に、瓔子さんは「和康さんがお芝居に集中してもらえるようなサポートをしていきたい」と笑顔を見せた。また、昨年末から今年にかけて訃報が相次いだ歌舞伎界だったが、菊之助は「中村屋(中村勘三郎)の兄さん、成田屋(市川團十郎)の兄さんの魂が、私たちを見守って下さってると思います。歌舞伎界を背負っていけるように頑張りたい」としみじみ語った。

歌舞伎界で生まれ育ち、幼い頃から顔見知りだという2人は約2年前から交際し、昨年12月末に菊之助が「家を守って下さい」と瓔子さんにプロポーズ。披露宴は今年9月に行われる予定だ。