デンソーは2月15日、高精度な衝突検知ができるポップアップフード用の歩行者衝突検知センサを開発したことを発表した。

ポップアップフードは、車両と歩行者が衝突した際に、フードを瞬時に持ち上げてエンジンなどの硬い部品とフードの間に空間を確保し、歩行者の頭部がフードに当たった際の衝撃を緩和する技術で、これによりフード下のエンジンルーム内の空間が取りにくい車種でも歩行者の頭部への衝撃を緩和することが可能になる。

従来のポップアップフードでは、バンパー内に装着された複数個の加速度センサを用いて衝突検知が行われていたが、歩行者が衝突したバンパーの位置によって計測値が変わるため、計測精度の向上が課題となっていた。

今回開発されたセンサはバンパー内に搭載されたバンパーの形状に沿って装着された樹脂製の中空構造体と2つの圧力センサにより、車両と歩行者が衝突した際、バンパーの変形による中空構造体の内圧上昇を検知することで、衝突位置が異なる場合でも安定した衝突検知が可能となり、高い計測精度で所定の速度範囲においてフードを瞬時に持ち上げ、衝撃を緩和するシステムとなっている。

なお、同センサシステムは、すでに2013年1月下旬から生産が開始されたトヨタ自動車の「クラウン」のハイブリッドモデルに搭載されているという。

従来品と開発品の歩行者衝突時の違い

実際に開発された歩行者衝突検知センサの外観