JR貨物はこのほど、2009年度より進めてきた「隅田川駅鉄道貨物輸送力増強事業」の竣工を発表した。3月16日のダイヤ改正より供用開始する。

写真は東北本線を走る貨物列車

JR南千住駅の南側に位置する隅田川駅は、東京から東北・北海道方面への鉄道コンテナ輸送における玄関口の役割を果たす。「隅田川駅鉄道貨物輸送力増強事業」では、京葉臨海鉄道(JR貨物や千葉県などが出資する第3セクター)を事業主体に、駅構内の着発線・荷役線の延伸、コンテナホームの拡幅・延伸、機関車留置機能の整備などを進めてきた。

同事業の竣工により、着発線・荷役線はそれまでの18両から、現在の標準の編成両数である20両に対応した長さとなり、輸送力の増強が図られる。鉄道コンテナ増強輸送力は1年あたり約22万トンとのこと。

隅田川駅ではこれまで、同駅を発着する列車の機関車は田端信号場駅まで回送が必要だったが、今回の事業で隅田川駅構内に機関車留置設備が新設され、輸送障害時でも柔軟な運用が可能になった。コンテナホームの拡幅・延伸により、近年取扱量が増加している大型コンテナの取扱列車も拡大。モーダルシフトによる環境負荷の改善効果も期待されており、事業竣工によるCO2削減量は1年あたり約3.3万トンとされている。