最近人気の防災性にすぐれた屋根・ガルバリウム鋼板とは?

屋根材にも他の家屋材料と同じように、いろいろと種類があります。一般的に広く普及しているのは化粧スレートと呼ばれる着色合成スレートですが、最近にわかに注目されているのが、ガルバリウム鋼板と呼ばれる金属屋根です。このガルバリウム鋼板とは一体どんな屋根なのか、その特徴を見ていきたいと思います。

■ガルバリウム鋼板は防災性に優れている

ガルバリウム鋼板はアルミニウム、亜鉛、シリコンからなるメッキ鋼板で、積雪の多い地域や寒冷地域、海岸付近や風の強い地域にも適しており、防災性にすぐれた屋根材といえます。またガルバリウム鋼板は亜鉛の耐食性により、酸性雨や公害対策にも効果を発揮します。さらには値段も安く、重量も軽いという面でメリットが多い屋根材といえます。

■防音性に弱く、夏場暑いデメリットも

ガルバリウム鋼板にもデメリットがあります。それは雨音がうるさく感じやすい事と、夏場室内が暑くなりやすい事です。ただし、ガルバリウム鋼板の持つデメリットへの改善策として、ガルバリウム鋼板に遮熱塗装を行った遮熱鋼板も主流になりつつあります。金属屋根であることに変わりはないため、一般屋根よりも屋根温度は上昇しやすくなりますが、従来のガルバリウム鋼板に比べて10度ほど温度差があります。

■他の屋根にはどんな特徴があるの?

屋根材には、ガルバリウム鋼板以外にもさまざまな特徴を持つ屋根材があります。その他の屋根材のメリットデメリットも、同じように見ていきましょう。

・化粧スレート屋根

薄くて重量が軽く、風雨や日光にも耐える力があるのが化粧スレート屋根です。重量の軽さから耐震性にもすぐれており、色や柄も豊富で、外装にこだわる方に人気があるようです。デメリットは通気性が悪いことで、下地の木材の腐食や劣化が起こりやすくなる場合があり、定期的な塗り替えが必要とされています。

・厚形スレート屋根

セメントと砂を原料としているのが厚形スレート屋根です。また厚形スレート屋根に施釉(せゆう)を施したものを施釉セメント瓦というようです。厚形スレート屋根は換気性が良く、海岸付近の塩分に強い特徴がありますが、補修塗装が定期的に必要となり、さらに塗膜が薄くなってくると酸性雨に弱いという特徴があります。

・釉薬(ゆうやく)瓦、いぶし瓦、無釉薬瓦

和風住宅の屋根に使われており、昔から親しまれているのが釉薬瓦や無釉薬瓦です。粘土瓦や焼き瓦ともいいます。釉薬瓦は釉薬を施すことにより表面がガラス質になるため、水が浸透しづらく長持ちする瓦です。また厚みもあるため防音、断熱性能にも優れています。

いぶし瓦の特徴は、やはり銀色の光沢と独特の美しさです。また無釉薬瓦も自然の風合いが楽しめる瓦で、ナチュラルな外装を好む方によく使われる屋根材です。ただし、いずれの場合にも災害で割れる危険性や、瓦の種類によっては凍害の可能性もあり、建物重量が重くなるため耐震面で不安があります。

・トタン屋根

トタン屋根の特徴は雨漏りしにくいこと、ゆるい勾配でも施工可能で、安価・スピーディーな工事が受けられることがメリットです。ただし見栄えが劣ることや、塗膜が劣化するとさびやすいデメリットがあります。また雨の日の音がうるさいこともデメリットとしてよくあげられる内容です。

住めば都とは言いますが、細かい視点で家を見ることで後々メンテナンスに悩む時間や、費用を抑えられることもあります。ぜひ住宅購入の際は屋根材に何を使用しているのか、チェックしてみるとよいかもしれません。