日立製作所は、マーケティング領域におけるビッグデータ利活用事業の提案力強化を目的として、博報堂と協業することで合意したと発表した。4月1日から両社協働プロジェクトである、マーケット・インテリジェンス・ラボ(仮称)を設立し、顧客向けサービスの提供やソリューションの開発などを進めていくという。

今回の協業により、日立のIT力と博報堂のマーケティングコンサルティング力という両社の知見を融合させ、補完しあうことで、顧客企業に対するサービス提案力の向上をめざす。

両社が2013年4月から開始すマーケット・インテリジェンス・ラボ(仮称)は、日立のビッグデータ利活用専任組織スマート・ビジネス・イノベーション・ラボ内に設立し、博報堂のビッグデータマーケティング推進チームのメンバーが参画。博報堂が現在提供しているコンサルティングサービスやマーケティングに関するノウハウを、日立のビッグデータに関するソリューションと合わせ、日立の顧客企業に向けたサービス提案を共同で行うほか、独自のソリューション開発にも取り組んでいく予定。

これにより、顧客企業において、ITシステムの情報をマーケティングや経営に活用するニーズが高まっている情報システム部門と、ITシステムの情報を活用することが求められているマーケティングや宣伝部門、事業部門などに提案することで、顧客企業がビッグデータ利活用に全社で取り組める環境づくりをサポートしていく。

具体的には、マーケティングプロセス改革コンサルティングやマーケティングデータ管理プラットフォーム構築と関連ソリューションの共同開発を行う。

マーケティングプロセス改革コンサルティングでは、市場、顧客、各種マーケティングデータを統合し、高度なマーケティング解析モデルを活用して、顧客の課題解決におけるプランニング精度の向上をめざす。

例えば、顧客企業内のさまざまな業務データやオープンデータを掛け合わせて、マーケティング解析モデルを適用することで、これまで見えなかった事業の状況を把握する。

マーケティングデータ管理プラットフォーム構築と関連ソリューションの共同開発では、顧客企業におけるマーケティングデータをはじめとする様々なデータの収集・蓄積と、多くの用途に活用するための加工・分析のIT 化によって、マーケティングデータ提供ビジネスを視野に入れたプラットフォームを構築する。これにより、異分野、異業種間のデータの掛け合わせを含めたマーケティングデータ提供ビジネスの開発を、より容易する。