写真は『サイコ』の製作過程を描いた新作『ヒッチコック』で、ヒッチコックを演じるアンソニー・ホプキンス (C)BANG Media International

"サスペンス映画の神様"とも称されるアルフレッド・ヒッチコック監督は、名作『サイコ』をサスペンススリラーとしてではなく、元々コメディーのつもりで製作していたことが、最近公開されたインタビュー記録から判明した。

英BBCのインタビューのアーカイブ記録が公開され、その中でヒッチコックは1960年に公開されたサスペンスの古典的名作『サイコ』を"冗談半分で"作ったと語っていたことが明らかとなっている。本作公開から4年後となる1964年7月にBBCの番組『モニター』で、ヒッチコックは次のように話していた。

「『サイコ』を見た人たちはみんな口々に『なんて怖い映画を作ったんだ! ほんとヒドいよ』と言ったものです。でも私自身は、こういった種の内容はある意味、面白いと思って冗談のつもりだったんです。観客が映画をそのまま真剣に受け取ってしまったことに逆に怖くなりましたよ」

『サイコ』を巡っては公開当時から作品をどのように捉えるべきかという議論がなされていて、ヒッチコックファンの中では意見が真っ二つに分かれていた。ヒッチコックはさらに、『サイコ』で「観客を笑いの渦に巻き込みたかった」とも語っている。

そんなヒッチコックと妻アルマ・レヴィルの物語を軸に『サイコ』の製作過程を描いた新作『ヒッチコック』では、アンソニー・ホプキンスがヒッチコックに扮し、ヘレン・ミレンが妻役を演じており、本国イギリスでは2月8日から劇場公開が始まっている。

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