JR東日本は5日、デザイン、食、アート、景色を楽しむ新列車「Tohoku Emotion」について発表した。今年秋以降に運行開始し、八戸線での運転を予定している。

「Tohoku Emotion」の外観デザインとライブキッチンのイメージ(JR東日本提供。ともに現在検討中のため、実際のものとは異なる)

同社は現在、観光利用の拡大による東北復興の支援と地域の活性化に貢献すべく、乗ること自体が旅行の目的となるような、魅力的な列車づくりを進めている。昨年12月には「POKEMON with YOU トレイン」が大船渡線でデビューし、2013年度冬以降、釜石線での「SL銀河鉄道(仮称)」の運行開始も発表されている。

これらに続く新しい列車の旅として提案されるのが「Tohoku Emotion」(東北エモーション)。同列車はキハ110系車両を改造した3両編成(定員は48名の予定)で、エクステリアデザインに工業デザイナーの奥山清行氏、インテリアデザインに建築家・プロダクトデザイナーの鄭秀和氏、ロゴデザインにグラフィックデザイナーの鈴木直之氏と、各ジャンルのスペシャリストが担当する。外観は「デザイン、食、アート」をコンセプトに、「移動するレストラン」を描き出す大胆なデザインとなる予定だ。

列車内空間は車両ごとに異なり、1両はコンパートメント個室席(28名)、1両はオープンダイニング席(20名)、残る1両はライブキッチンスペースに。食事内容は地元や地域の食材を積極的に活用したものとなり、ライブキッチンにて乗客の目の前で調理が行われるため、「新しい東北の食」を視覚でも楽しめる。

「Tohoku Emotion」は東北エリアで臨時列車として運行され、他線区に先がけて八戸線に導入される。運転日は土休日やゴールデンウィーク、夏休み、年末年始期間を中心に年間150日程度。なお、具体的な運行開始時期や食事内容などは改めて発表するとのこと。