日立ソリューションズは25日、米ServiceNowと国内初となる重要パートナー契約を締結し、ITサービスマネジメント(ITSM)を実現するクラウドサービス「ServiceNow」の販売から導入/教育/一次サポートの提供開始すると発表した。

サービスプロバイダーでの「ServiceNow」利用イメージ

同サービスは、「ITILver.3」をベースに設計されたSaaS型のクラウドサービスで、エンドユーザーのリクエストや問い合わせ、その対応状況を集約してレポート出力し、世界中の関係者との共有を実現することでサービス改善を支援。また、業務プロセスの標準化と自動化により、対応の迅速化と業務の改善を図る。

企業は、これによりサービスの価値を高め、顧客満足度の向上を図ることができ、さらに、クラウドサービスのため自社でシステムを保有する必要がなく、導入・運用コストも抑えられる。同社が検証した例では、オンプレミスと比較し、導入・運用コストを20%程度低減できた。

ServiceNowは、2005年の提供開始以来、世界140か国に16,000拠点をもつ銀行をはじめ、製造・金融・小売・医療分野などのグローバルに展開する企業を中心に採用され、2012年の導入企業数は1,300社を超え、前年比で約60%成長している。

ServiceNowの代表的な機能は以下の通り。

機能名 概要
サービスカタログ エンドユーザー向けのサービスメニューを一元管理
インシデント管理 サービスデスクが問い合わせを記録し、関係者との共有や解決までの管理
問題管理 システム運用管理者が問題の原因や対策を記録し、ノウハウの共有を図る
変更管理 システムの変更点をデータベース化し、また、変更における工程も管理
構成管理 システム構成やソフトウェアのインストール状況を管理し、障害発生時やシステム変更時の影響範囲を効率的に特定
サービスレベル管理 予め定義したサービスレベルの達成状況を確認し、改善に活用
レポーティング 問い合わせ内容や、問題管理・変更管理・構成管理などの履歴に基づき、業務を改善するための統計情報を出力

同社は、ライセンス販売に加え、導入や活用を支援する基本ライセンス/カスタマイズサービス/トレーニングサービスを実施する。基本ライセンスでは、SaaS型のITサービスマネジメント機能を提供し、一次サポートサービスとして顧客の問い合わせに日本語で対応し、よくある質問とその回答といった日本語のFAQの提供も行う。

また、顧客の要望やシステム環境に応じて各種設定するとともに、画面の最適化や既存システムとの連携などのカスタマイズを行うサービスや、操作手順や顧客自身が行うカスタマイズの方法、運用などについて、導入トレーニングを実施する。

同社は今後、日立グループと連携し、これまで培ってきたITサービスマネジメントのノウハウを基に幅広い業種の顧客にServiceNowを提供していく。