日本機械輸出組合はこのほど、2012年11月の機械貿易動向を発表した。それによると、昨年11月の機械輸出額は前年同月比6.3%減の3兆2,352億円と、5カ月連続で減少したことがわかった。

輸出額の水準は、リーマンショック発生前の2007年11月と比べた場合、64.3%と前月より0.2ポイント低下した。

一方、機械輸入額は前月比10.1%増の1兆5,890億円と、3カ月連続で増加。輸入額の水準は、リーマンショック前と比べると91.5%となり、前月比の85.7%より5.8ポイント改善した。

機械貿易額の月別推移(出典:日本機械輸出組合Webサイト)

機械輸出額が減少した要因としては、機械輸出額の約15%を占める中国向けが前年同月比22.4%減と大幅マイナスとなったことが大きい。業種別では、輸出額の20%に当たる半導体製造装置等産業機械が前年同月比22.9%減、約10%に当たる自動車が同56.0%減、建設機械が同57.6%減などと大幅に減少している。

また、機械輸出額の約11%を占めるEU向けも同19.9%減少。業種別では、輸出額の32%に当たる自動車が同18.5%減、18%に当たる産業機械が同9.0%減、電子ディバイスが同26.3%減、分析・試験・検査機が同16.7%減などとなった。

このほかの地域向けでは、アフリカが前年同月比28.1%減、中南米が同18.0%減、インドが同10.3%減と、いずれも二桁の減少となった。

一方、機械輸出額の25%を占める北米向けは、前年同月比4.1%増と2カ月連続で増加。業種別では、輸出額の48%に当たる自動車が同5.1%増と3カ月連続で増加したほか、重電機機械が同14.8%増、分析・試験・検査機が同19.5%増、デジカメが同24.2%増などとなった。また、機械輸出額の29%を占めるNIES/ASEAN向けも同2.8%増加。国別では、タイが同56.4%増、ベトナムが同22.3%増、香港が同18.3%増となり、業種別では、自動車、産業機械、重電機機械、光学機械、電子ディバイス(NIES)などが大きく伸びた。

なお、リーマンショック前の2007年11月の地域別輸出額と比べた場合、水準を超えた地域はなく、中国が76%、NIES/ASEANが74%、北米が69%、その他地域は56%、EUが45%と、全体的に低迷が続いている。

業種別動向を見ると、全19業種中マイナスとなったのは14業種で、10月の16業種より2業種減少。内訳は、全体の約34%を占める自動車が前年同月比3.8%減、約16%を占める産業機械が同9.0%減、船舶が同42.8%減、建設機械が同35.2%減などと二桁の減少となった。それに対して、電子ディバイスは同8.8%増、民生用電子機械は15.7%増、農業機械は同16.1%増と、高い伸びを見せた。