イベント上映の公開初日を迎えた『宇宙戦艦ヤマト2199 第四章「銀河辺境の攻防」』初日舞台あいさつが12日、東京・新宿ピカデリーで開催され、ヘルム・ゼーリック役の若本規夫、ヴォルフ・フラーケン役の中田譲治、出渕裕総監督が登壇した。

左から若本規夫、出渕裕総監督、中田譲治

『宇宙戦艦ヤマト2199』は、1974年に読売テレビ系列で放送された『宇宙戦艦ヤマト』第1作をベースに、新たなスタッフで制作する完全新作アニメーション。星間国家ガミラスの攻撃で汚染された地球を救うため、未知の星イスカンダルを宇宙戦艦・ヤマトとクルーたちが目指すという骨子はそのままに、全く新しい物語が描かれる。また、本作はTVアニメシリーズを想定して製作され、2012年4月より全国の劇場で先行イベント上映されてきたが、2013年4月よりMBS・TBS系で日曜午後5:00時枠で放送されることが昨日発表されている。

舞台あいさつでは、起立した観客からの「ガーレ・ガミロン!!(ガミラス帝国万歳の意)」の声が響く中、若本、中田、出渕総監督の3人が登場。自身が演じるヘルム・ゼーリックについて若本は、「ゼーリックは頑固一徹で、傲岸不遜な帝国軍人。デスラー総統に対しても、腹に何か一物持っているんじゃないかな。台詞回しも上から叩きつけるようにしているんだ」と解説。中田は「オリジナル(1974年版)でフラーケンを演じた大木民夫さんのファンだったので光栄です。フラーケンは好んで戦闘に行く次元潜航艇艦長で、狭い艦内にごつい奴らが顔を突き合わせる空気感が好きですね」と語った。トーク中には出渕総監督が2人の演じるキャラクターの役職などを補足していくのだが、若本が「ゼーリックは自民党で言えば誰なんだ」などとかき回して会場を笑わせる場面もあった。

キャスティングや収録にまつわるトークでは、出渕総監督が「ゼーリックとフラーケンは若本さんと中田さんに決め打ちで考えていて、正式に決まってから若本さんに合わせて吾輩、である、といった口調にしました」という裏話も披露。若本によれば収録現場はガミラス側とヤマト側で時間をずらして分けているそうで、「ガミラス側は年配が多いから口が回らない者もいる(笑)。一番違うのはデスラー総統。オリジナルでは伊武雅刀が二十代らしからぬ貫禄でやっていたのが、今回は山寺宏一がソフトで繊細にやっていて、総統が相当違う。惚れちゃいそうにいいよ」とニヤリ。山寺の起用について、出渕総監督は本作OP絵コンテを担当する庵野秀明に相談して決めたという。大ベテランに囲まれて収録に臨んだ中田は「ヤマト組は小野大輔さんや鈴村健一さん、桑島法子さんたちがいてさわやかな感じなんですが、ガミラス側は重鎮が多くて。自分はそこにストーリーの途中から参加したわけですから緊張して、失敗すると若本さんの視線を感じるんです」と苦笑していた。

前述したように『宇宙戦艦ヤマト2199』は、2013年4月よりMBS・TBS系で地上波での放送が昨日発表されたばかり。出渕総監督は地上波での放送について、「4月からMBS系での放送が決まりました。この作品はTVシリーズを想定していたものですが、劇場でのイベント上映をさせて頂いたことで、劇場にかけるためのクオリティアップができました。TVで放送することでヤマトを知らない人にも見て頂けることを感謝しています」と喜びをみせた。『宇宙戦艦ヤマト2199』のイベント上映は今後も継続するとのことで、劇場のリッチな環境でも作品を楽しんでほしいと3人が口をそろえていた。

『宇宙戦艦ヤマト2199 第五章「望郷の銀河間空間」』先行カット

『宇宙戦艦ヤマト2199 第四章』は、1月12日~25日まで、全国12館の劇場で公開中。TVアニメは2013年4月よりMBS・TBS系日曜午後5時より放送予定。そして来るべき第五章「望郷の銀河間空間」は4月13日(土)よりイベント上映をスタートする。

『宇宙戦艦ヤマト2199 第四章「銀河辺境の攻防」』キービジュアル

『宇宙戦艦ヤマト2199 第五章「望郷の銀河間空間」』キービジュアル

(C)2012 宇宙戦艦ヤマト2199 製作委員会