新日鉄住金化学は1月7日、中国広東生益科技と、中国および香港のフレキシブル回路基板用材料(FPC用材料)の販売合弁会社に係る合弁契約書を締結したと発表した。今後、両社は関係当局の承認を前提に、2013年6月の営業開始をめどに合弁会社の設立を進めていく。

新日鉄住金化学は、FPC用材料として、ポリイミド銅張積層板をキャスト法で製造した「ESPANEX」、ラミネート法で製造した「Neoflex」を展開する。一方、広東生益科技は、中国最大級の硬質銅張積層板の製造・販売メーカーで、主に片面、両面および多層基板を生産し、携帯電話、自動車、通信設備、各種ハイエンドの電子機器に向けて供給しているという。

FPC用材料は、スマートフォンやタブレット端末などの情報電子機器の成長に伴い、今後も需要が拡大していくことが見込まれている。特に、中国はこれら情報電子機器の製造拠点が多く立地しており、品質・納期などの安定供給に加え、様々な製品に使用できる豊富なラインアップ、迅速かつ高度な技術サービスを同時に提供できる体制の構築が求められていた。

こうした背景から、両社は中国において双方のFPC用材料と技術サービスを統合して提供するため、2012年6月に基本意向書を締結し、合弁会社に関する協議を進めてきた。

社名は中国が「東莞艾孚莱電子材料有限公司」、香港が「香港艾孚莱電子材料有限公司」。出資比率は、東莞艾孚莱電子材料は新日鉄住金化学が51%、広東生益科技が49%。香港艾孚莱電子材料は、新日鉄住金化学が51%、生益科技(香港)が49%。合弁会社では、約8億人民元(約100億円)規模の総売上高を目指していく方針。