日本初の広域ローカルヒーロー、東北合神ミライガーの勇姿

ここ数年で、全国各地に次々と誕生したローカルヒーロー。東北6県にも、戦隊風コスチュームのご当地ヒーローが数多く存在するが、このたび新たに誕生したのは「東北合神ミライガー」。復興へ向けて東北全土で一丸となろう!との思いから生まれた日本初の広域ローカルヒーローである。

東北6県一致団結の象徴となるヒーロー

ミライガーのマスクを手に語る海老名保さん

「東北地方征服をたくらむガラッシャー帝国。そして、その魔の手から地域の自然を守っていた各地のヒーローたち。しかし、帝国の力が強大なため、ヒーローたちは、東北6県の力を集結させた戦士を生み出すことを決意。そして誕生したのが、全ヒーローの力と技を身につけた“東北合神ミライガー”だ」(東北合神ミライガー公式HPより抜粋)。

東日本大震災からの復興を目指す東北各地だが、県単位で頑張るよりは東北6県が力を合わせたが明るい未来を創れるはず! そんなコンセプトから、2012年3月に誕生したのが東北合神ミライガーである。

日本全国に戦隊ヒーロー風のローカルヒーローが誕生しているのは、みなさんご承知の通り。東北6県にも、超神ネイガー(秋田県)、岩鉄拳チャグマオー(岩手県)、跳神ラッセイバー(青森県)、出羽戦士ガ・サーン(山形県)、サファリの戦士白虎タイガー(福島県)など多くのローカルヒーローがいる。しかし彼らは、県や市や町など狭いエリアでの活動が中心だった。

ならばいっそのこと、「東北全域をカバーし、東北6県一致団結の象徴となるヒーローを作ったらどうか」と考えた人がいた。秋田県にかほ市でトレーニングジム・イベント運営の会社を経営する海老名保さん(42)がその人。秋田のご当地ヒーロー、超神ネイガーを生み出して成功を収め、その後も沖縄の琉神マブヤーなど全国規模でヒーローを誕生させてきた。

実は、前記した東北のローカルヒーローたちも、全て海老名さん考案によるものだ。「従来のご当地ヒーローはその土地だけのもの。けれど震災があり、東北が一致団結して復興を目指している今、東北全体のシンボルとなるようなヒーローが必要と考えたんです」。

こうして誕生したのが東北合神ミライガーである。その名前には「未来へ」向けて復興しようとの強い意志が込められている。

ミライガーの姿には東北6県のシンボルが組み込まれている

東北のため宿敵ガラッシャーと戦うミライガー(左)

ミライガーは東北6県の団結を象徴する。そのため、海老名さんはミライガーの姿に6県のシンボルを組み入れることにした。顔は「伊達政宗」(宮城県)の眼帯をイメージして右目を黒くした。

胸は「なまはげ」(秋田県)のお面の形。背中には「ねぶた」(青森県)の絵。両腕に「チャグチャグ馬コ」(岩手県)にちなんだ馬の顔。膝に「白虎隊」(福島県)を表した虎の顔。さらに肩には「月山の修験者」のほら貝の飾り……といった具合だ。

これまで東北合神ミライガーは宮城県松島での行われた宮城国際ヒーローサミット、秋田県にかほ市でのミライガーショーなどでその雄姿を披露して、東北の人たちから大喝采を受けている。「未来を担う子どもたちからの声援が一番うれしいですね」と海老名さん。

実は海老名さんは、コスチュームを着てアトラクションを披露する“ミライガー自身”でもある。聞けば若い頃にはプロレスラーの経験もあるそうで、現在はスポーツジムも経営している。身体を使ったパフォーマンスのプロフェッナルなのである。

さて、2013年のミライガーのスケジュールだが、2月10日には秋田県大館市でポリオワクチンの寄付、ならびに震災からの復興、子供たちの笑顔などを目的としたイベント「FIGHTING AID in 大館」に登場。プロレスラーに混じってアトラクションに参戦する予定だ。

震災2周年の3月11日にも、人々に勇気を与えてくれるために東北の様々な地域に顔を出すに違いない。また3月には、東京・池袋のサンシャインシティでのイベントにも参加の予定だとも。今後のミライガーの活動予定については、東北合神ミライガー公式サイトでぜひ確認して、みんなで応援しようではないか。

ガラッシャー帝国と戦うミライガー。子どもたちの声援がなによりの励みだ

そして、早春をメドに、ミライガーのお菓子やフィギュアも東北限定で発売されることが決まっているそうだ。ローカルヒーローファンやフィギュアマニアの皆さん、どうぞお楽しみに。