GMOインターネットグループでは、「JINS PC」(左ロゴが目印)による目の健康支援制度を導入

転職を考えるとき、給与や仕事内容も重要だが、給与以外の手当やサポートである福利厚生の内容も気になるところ。ひと昔前では企業の福利厚生といえば、社宅や慰安旅行などが一般的だったが、最近では、ユニークな福利厚生制度を導入している企業も増えている。

福利厚生制度で有名な会社が、インターネットメディア事業などを手掛ける、GMOインターネット。世界一を目指す社員食堂として、2011年6月にオープンした24時間飲食無料の社員食堂や託児所、プロのマッサージ師によるボディケアサービスや仮眠用の昼寝スペースなど、ユニークな制度を持つことで知られる。

また来年1月からは、新たな福利厚生制度として、社員の眼を守ることを目的に、今年話題となったPC作業用メガネ「JINS PC」導入支援を開始する。

数々のユニークな福利厚生制度について、同社に話を聞いた。

スタッフの満足度=顧客満足度

「お客様にNo.1のサービスを提供するには、スタッフが満足して働ける環境が重要だと考えています」と、取締役 グループ人事・グループ総務担当 菅谷俊彦氏。

産地、カロリーが表示された、健康的なランチを提供

季節ごとのイベントも開催される「シナジーカフェ GMO Yours」

例えば、コミュニケーションスペース「シナジーカフェ GMO Yours」。

カフェやブッフェで提供される食事はもちろん、毎週金曜日に設けられたバータイムのお酒もすべて無料。海外とのやり取りのあるスタッフや、深夜のカスタマーサポートに携わるスタッフのために、24時間、365日オープンしている。

同スペースは食事だけでなく、グループの垣根をこえたコミュニケーションを楽しめることもポイント。人が集まることにより、新たなサービスが生まれる可能性があるという。

各キャリアの最新機器を展示

また、最新のスマートフォンやタブレットの実機も展示されており、エンジニアが常に新しいものに触れることができる環境を整えている。

託児所の定員は15名。親の近くにいられるので、子どもたちも安心

同社ではシエスタ(昼寝)を推奨。昼にはアナウンスが流れるという

さらに、生後57日目以降から受け入れ可能な託児所「キッズルーム GMO Bears」や、リラクゼーションスペース「マッサージ&おひるね GMO Bali Relax」、「おひるねスペース GMO Siesta」も併設。これらの施設は就業時間中にも利用可能だ。

現場の声を取り入れた福利厚生制度

こういった福利厚生制度はどのように導入されるのか。そのあたりの内部事情を菅谷氏に聞いてみた。

「現場優先主義によって、最高のサービスを提供します」(菅谷氏)

「私どもはこれまで、椅子を自由に選べる"椅子ろうぜ!"、自社サーバーを無料で利用できる"サバろうぜ!"、セミナー参加を支援する"セミろうぜ!"、書籍や最新ガジェットの購入費用を補助する"学ぼうぜ!"といったエンジニア支援制度を導入して参りました。

これらの制度は、スタッフからの要望をもとに導入しております。当社では、社内のイントラネットから変更してほしいルールや実現してほしい福利厚生などを投書することが可能です。これらすべてを会長が見て、進捗状況をイントラネットで公開しております。

また、イントラネット以外からも、コミュニケーションスペースに、各施設への要望や意見を投書できる"くまのみみ"というボックスを設置しました。最高のサービスを提供するためには、スタッフの満足度も重要です。そのため、スタッフの声には常に耳を傾けています」(菅谷氏)

コミュニケーションスペースに設置された投書箱「くまのみみ」

「おかげさまで、応募が今までの3倍になりました。スタッフが満足できる環境を整えれば、優秀な人材が集まると考えております。こうすることにより、No.1のサービスを提供することが可能になるはずです」(菅谷氏)

「スタッフが満足しなければ、最高のサービスを提供できません」(菅谷氏)

"目を守ろうぜ"を合言葉に、JINS PCの導入を決定

さらに、同社では、2013年1月から「JINS PC」の購入支援制度も導入される。購入金額の半分を会社が負担。目を酷使するエンジニアやクリエイターが多い同社ならではの取り組みだ。

「私自身、JINS PCを使用しており、その効果は実感しております。しかし、導入に先立ち、現場で導入テストを行いました。

テストの結果、おもしろいことに、朝よりも仕事で目を酷使した晩のほうが目の疲労度が緩和されていたんです。腰痛や肩こり、ストレスの軽減にも有意性が認められました。もちろん、実験に協力してくれたスタッフの評価も高かったこともあり、導入を正式に決定したのです。

この制度はエンジニアだけではなく、全社員に適用されます。職種にかかわらず、パソコンを使う時間は長いですからね」(菅谷氏)

続いて、導入テストに参加したシステム本部 技術部 UNIX ZEROチームの山田勇二氏に、JINS PCを使用した感想をうかがった。

普段は裸眼で生活しているという山田氏

「JINS PCに興味はありました。しかし、普段メガネを使わないため、伊達メガネにしては少し高いかなと思い、個人的に購入はしませんでした。なので、今回の支援制度はうれしいです。

また、メガネをかけなれていないせいか、最初は違和感を覚えましたが、すぐに慣れました。JINS PCを使ってみると、モニターの明るさが軽減されたように感じます」(山田氏)

「会社用と自宅用、2本あるといいですね」(山田氏)

すでに同社には、JINS PC利用者がいたものの、山田氏は実験に参加するまでそれがJINS PCとは気づかなかったという。

「ファッションの一部として、色つきのメガネを着けていると思っていたんです。それほど違和感がありませんでした。なので、自分がJINS PCをかけていても、普段の生活で気になることはないし、そのまま外出もします」(山田氏)

もし、JINS PCが壊れたらどうするか山田氏に尋ねたところ、「すぐに買いに行きます」とのお気に入りの様子だった。

JINS PCの効果に大満足の菅谷氏と山田氏

「ただ、1月からJINS PCの制度が導入されたら、みんな同じメガネをかけて、外部の方から見たら、『え、同じメガネしてる』と思われるかもしれません(笑)。でも、それはそれで、メガネきっかけで会話が生まれて、会話のきっかけになるかもしれません」(山田氏)

近年、どの企業で働くかを選ぶときの決断を左右すると言われる福利厚生制度。企業選定の際は、自分の目的や趣味、暮らしにあった制度があるかを調べてみるのもいいかもしれない。