Facebookページ運用担当者向けに実施した「Facebookページ運用状況アンケート調査」の結果をまとめました。皆さんの運営実態はいかに?!

こんにちは、SMMLabの小川です。

2012年10月~11月にかけて、普段SMM Labをお読みいただいているFacebookページ運用ご担当者の皆さまに「日頃のFacebookページ運営状況」に関してのアンケート調査を実施、 様々な業界に渡る82社の企業担当者から回答をお寄せいただきました。今回はその結果をまとめてご紹介します。

・皆どんな目的でFacebookマーケティングを実施しているの? ・運用にどれくらいの人数と時間をかけてる? ・効果測定の頻度と方法は? ・現在の悩みや課題は何? ・やってみて分かった「良い点」「難しい点」は?

これら他社の「運営実態」を知ることは、自社が今できていないことは何か、また今後どの点に力を入れていくべきかを考える上で参考になると思います。今回の調査結果を、ぜひ2013年のFacebookページ運営指針策定にお役立てください。

Facebookページ運営 所管部署や予算について

[1]Facebookページの運営を所管する部署

Facebookページの運営を所管する部署については、多い順に、「マーケティング部」34%、「事業部・営業部」28%、「広報部」23%という結果になりました。複数の部署をまたがっているケースもあり、Facebookをどう利用するのか目的によって異なるようです。

その他については、「インキュベーションユニット」、「ラボラトリースタッフ」、「社内横断的なプロジェクトチームにより運営」など特別なプロジェクトとして運営している企業もありました。また「自営業」の方はオーナー自らが運営されているケースも見受けられました。

[2]担当者の人数と1日あたりでソーシャル運営に割く割合

担当者の人数は「1人」と回答した方が半数を占める結果になりました。なお、ファン数が500人未満の企業では全体の80%が「1人」と答えている一方、ファン数が1万人以上の場合は全体の40%が「4人以上」で担当していると答えており、Facebookページがある程度の規模になると人数を増やす傾向があると言えそうです。

また、ソーシャル運営に割く割合は「10%未満」を答えた方が全体の68%を占めており、他業務と兼任している方が多いのが実情のようです。

[3]社内の理解度とソーシャルメディアポリシーの有無

社内の理解度としては、「まぁ理解されている」が最多の33%で、「非常に理解されている」と合わせると54%となりました。「あまり理解されていない」「全く理解されていない」という声も33%に上り、企業によって社内の反応は様々のようです。のちのアンケートにも出て来る「感じている課題」にも社内の理解度が挙げられています。

ソーシャルメディアポリシーについては、「社員用」「社外向け」「ソーシャルメディア利用ユーザー向け」の、いずれのソーシャルメディアポリシーもないと答えた人が56%に上りました。「社員用のソーシャルメディア活用ガイドラインがある」と答えた企業も、27%に留まっています。

[4]企業がFacebookマーケティングを実施する目的

企業がFacebookマーケティングを実施する目的は、多い順に、「広報」65%、「認知拡大」56%、「ブランディング」49%という結果になりました。なお、「商品開発・改善」、「ユーザーサポート・カスタマーサポート」、「既存顧客満足度向上、CRM」に活用することが目的と答えた企業は少ない結果となっており、まずは「広く知ってもらう」ことをメインにしている企業が多いようです。

[5]年間の予算規模とFacebookページ運営予算がマーケティング/広告費全体に占める割合

年間の予算規模は、「50万円未満」が77%と最も多く、マーケティング/広告費全体に占める割合は「0~3%」が71%と最も多い結果となりました。まだまだ、Facebookに予算をかけている企業は少ないようです。

ページのファン数別に見ると、1万人を超えるファンがいる企業は「300万円以上」が40%となっており、ファン数が増えると予算がかけられるようになる状況が見受けられます(あるいは予算をかけているところがある程度のファン数を持てているとも言えます)。逆にファン数が500人未満の企業では、88%が「50万円未満」と答えています。

Facebookページの施策・方針について

[6]ファンの増加施策

ファンを増やすために行っている施策としては、多い順に「ウォール投稿の精査」が54%、「Facebook広告の出稿」が34%、「Facebook上での懸賞キャンペーン等」が29%という結果になりました。また、「特に実施していない」という声も22%ありました。

その他今後やってみたいこととして、
・「店頭ポップにて告知」
・「イベントとの連携」などO2Oに関する施策や

・「Facebookクーポンでのサービス販売促進」
・「Facebookプレミアムアドの利用」
などが挙げられました。

感じている課題については、以下の回答が寄せられました。

<社内理解度の浸透・協力体制の構築>
・「複数の運営者間でのFacebookページに対する認識の差異を埋める施策」、
・「社内で拡散などの協力が得られない」など

<ファンの獲得>
・「キャンペーン時以外は、大きくファンが伸びず。オーガニックに増加していくことが理想」
・「ファンの退会率が上がってきているが、原因がいまひとつ掴みきれていない」など

<投稿コンテンツ>
・「自社サイトへの誘導」
・「ターゲットユーザーにはどんなコンテンツがいいのか」など

<費用対効果>
・「コンテンツや広告の出稿に、資金と労力が必要」

[7]運用の対応時間、1日当たりの投稿数、投稿する際の主体について

Facebookページ運用の対応時間は「営業日・営業時間内」が45%が最多でしたが、「営業日、時間に関係なく対応」も39%という高い結果になりました。 1日のウォール投稿数は「1つ以下」が37%、次いで「特に決めていない」が34%でした。投稿する際の主体は「企業・ブランド」として投稿が62%で最多、「社員の個人名で」が30%でした。

[8]ユーザー対応について

ユーザーからのFacebookページへのカキコミは全体の78%が許可しており、Facebookページ宛のメッセージも、85%が受け付けているという結果となりました。

ユーザーからのウォール投稿へのコメント返信も「全てのコメントに返信している」が38%で最多、「まとめて」「必要なものだけ」を合わせると78%という結果であり、ユーザーとのコミュニケーションを密にしている企業が多いことが分かります。

また、運用方針として大切にしている点や、ウォール投稿で工夫している点については多くの回答が得られ、各社それぞれに工夫している様子が見受けられました。

<投稿内容に関する工夫>
・「特別な情報の配信」
・「個人ユーザー向け情報とページ運営者向け情報を同じ割合で投稿」
・「日々の季節ネタなどを時折混ぜる」
・「続きを見る・・・になるまでに興味を引き出せる文章を書けるかが勝負」 など

<投稿文言に関する工夫>
・「コミュニケーションを図る」
・「口コミ的な感覚」
・「人間味があるように」 など

<投稿画像に関する工夫>
・「誤字脱字の修正を行えるから必ず画像つきで投稿する」
・「大きな画像でウォール上で粗く見えないようにする」
・「写真を大きくライブ感を持たせる」 など

<自社コンテンツとの連携>
・「店舗数が多いので、順番に宣伝」
・「自社運営メディア、自社広報ブログを掲載」
・「イベントなどのレポートとして活用」など

<身近に感じさせる工夫>
・「社員の趣味・志向などを織り交ぜる」
・「スタッフBlogや研修内容の様子など会社のバックステージを見せる」など

<信用ある対応>
・「Facebookに関する質問や問い合わせに対しては、Facebook公式ヘルプや外部ページを可能な限り参照し、 確実な情報のみを正確に回答」
・「翌日までに必ず返信」
・「著作権違反を含め、他社の情報を自社の情報であると誤解を生まないよう注意し投稿」など

効果測定について

[9]効果測定をしている項目

効果測定をしている項目は、「いいね!数、リーチ数、PV数などFacebookの「規模感」に関する指標」が83%で最多、次いで、「話題にしている人数、クチコミ率などFacebookの「エンゲージメントに関する指標」が41%となりました。また、「顧客満足度」、「商品の購入意向」、「商品の購入やサービスの問合せ等(コンバージョン数/率)」などは10%未満となっており、効果測定している企業は少ないようです。

その他、「会社の売上への貢献度の出し方が分からない。Facebookを開始してからの具体的な効果を測る方法が知りたい」というコメントもありました。

[10]現在実施している効果測定の方法/今後やってみたい施策について

効果測定については72%の企業が「Facebookページインサイト機能」を活用していることが分かりました。また、25%の企業は無料解析ツールを使っていますが、それ以外のツールや方法を用いて効果測定をしているところはまだあまり多くないようです。

今後やってみたいこととしては「無料解析ツールを導入しての分析」、「WEBでのFacebookページ認知度やブランド好意度調査」、「競合のFacebookページ状況調査」、「有料解析ツールを導入しての分析」が挙げられており、今後はさらに幅広く効果測定を深めたいという傾向が見られました。

[11]Facebookページ運営効果についての評価

Facebookページを運営したことにより効果が出ているかについての評価は、「大変効果が出ている」と「まぁ効果が出ていると思う」を合わせて47%、「あまり効果が出ていない」と「全く効果が出ていない」を合わせて53%と、現時点では約半々、どちらかというとまだ効果を感じられていない企業が多いことが分かりました。

具体的に効果があった点としては、「認知度UP」30%、「自社サイトへのトラフィックが増えた」28%、「顧客と直接コミュニケーションが取れるようになった」20%と続いています。

また、その他効果を感じている点、Facebookページに取り組んで良かった点については以下のような項目が挙げられました。

<ファンとのつながりに関すること>
・「新しいブランドを覚えていただいた」
・「親しみが増す」
・「顧客の質がよい」
・「企業目線、顧客目線という概念を実感した」
・「お客様からのダイレクトな意見が集まる」
・「つながることのなかった方々とつながりが持てた」

<社内に関すること>
・「話題を共有する機会が増え、社内とのコミュニケーションが増えた」
・「社員レベルから情報を発信するという意識がついてきた」

<その他>
・「世界の人の動向を知ることができた」
・「ソーシャルメディアに関する知見を得ることが出来た」

[12]Facebookページ運営における課題

Facebookページ運営において現在課題に感じている点については、「いいね!がなかなか増えない」が51%で最多、次いで、「投稿への反応数が少ない(いいね!、コメント、シェア等)」が37%、「自社のターゲットにあったファン層が増えない」が22%という結果になりました。

その他課題や「難しいと感じている点」として、以下のような声も聞かれました。

・「更新頻度を上げるには、マンパワーが必要」
・「売り上げに直結しないので、予算が下りず、システム投資や人材投資が出来ない」
・「Facebookの仕様の理解や、それに伴ったアプリなどの仕組みを理解するための時間が多く必要」
・「自社商材をどうアピールしたら良いか」

[13]今後Facebookでやってみたいこと

今後やってみたいことは、「フォトコンテスト」・「モニター・アンケート調査」がそれぞれ39%で最多、次いで「プレゼント等の懸賞キャンペーン」が38%となっています。

その他のコメントとしては、
・「様々な種類のFacebook広告の出稿」
・「Facebookページをもっている他企業とのコラボ企画」
などが挙げられました。

[14]2013年 Facebookページ運営予算・人員について

2013年のFacebookページ運営予算・人員については、それぞれ「現状維持」が65%、80%で最多、「増やす意向」もそれぞれ29%、15%となり、現時点ではまだ効果が出ていない企業であってもFacebookページへの期待が込められた結果となりました。

全体のまとめ

今回は82社の企業担当者より、とても「濃い」回答を頂くことができました(ご協力いただいた皆さまありがとうございました)。

半数の企業はまだ具体的な効果を感じることができていない状況ですし、全体的になかなか予算がつかない現状にありながらも、限られたリソースを最大限活用しながら試行錯誤し、本質的な運営を目指されている様子を伺い知ることができました。また、中には具体的な効果が出始めている企業があることも分かりました。

さて、あなたのFacebookページは、2013年にどのような運営を目指していきますか?今年は、最終目標に比べてどこまで実施できましたか、また来年に向けての課題は何でしょうか?

今回の調査結果が、皆さまの今後のFacebookページ運用の参考になれば嬉しく思います。

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