日本銀行は20日、同日の政策委員会・金融政策決定会合において、金融緩和を一段と強力に推進する観点から、以下の決定などを行った。この結果、「資産買入等の基金」と「貸出支援基金」を合わせて、今後1年余の間に50兆円超の資金供給を新たに行うことになり、その残高は120兆円超となる。また、次回の会合において、日本銀行が金融政策運営に当たり目指す中長期的な物価の安定について、検討を行うこととした。

各基金の規模と今後の追加資金供給

(1)「資産買入等の基金」の増額決定(全員一致)

「資産買入等の基金」を91兆円程度から101兆円程度に10兆円程度増額。基金増額の対象については、短期国債を5兆円程度、長期国債を5兆円程度とする。「資産買入等の基金」を通じた今後1年間の追加的な資産買入れ額は、既に決定したものと合わせ、36兆円程度となる。このほかに、日本銀行は、年間21.6兆円の長期国債の買入れを行っている。

(2)「貸出増加を支援するための資金供給」の詳細決定(全員一致)

「貸出増加を支援するための資金供給」は、金融機関の貸出増加額について、希望に応じてその全額を低利・長期で無制限に資金供給するもの。その詳細について、実施期間を2014年3月末までの15カ月間とすることなどを決定した。「貸出増加を支援するための資金供給」による供給額は、さまざまな要素に依存するが、最近の貸出実績を前提にすると、15兆円を上回ると想定できるとしている。

(3)物価安定についての考え方に関する議長指示

日本銀行は、「中長期的な物価安定の目途」について、原則としてほぼ1年ごとに点検していくこととしている。次回金融政策決定会合において、金融政策運営に当たり目指す中長期的な物価の安定について検討を行うこととし、議長は、必要な論点を整理し、次回の会合で報告するよう、執行部に指示した。