横浜ゴムは12月19日、走行時の車の空気抵抗を低減するタイヤ設計技術を開発したことを発表した。同成果の詳細は「第26回 数値流体力学シンポジウム」にて発表しされたほか、2013年2月5日から独ケルンで開催される「Tire Technology Expo 2013」でも発表される予定だ。

走行中の車のタイヤハウス内は空気が乱雑に流れており、この空気の一部が車両側面に流れ出し、車の空気抵抗を悪化させる原因となっている。同社では、タイヤのころがり抵抗低減に次ぐ新しい環境対応技術としてこの問題に取り組んでおり、2010年に実走行を想定した条件下(タイヤハウス内に装着しかつ回転している状態)でタイヤ周辺の空気の流れをシミュレーションできる空力シミュレーション技術を確立し、その後、同シミュレーションの範囲を車両全体へ拡張させ、風洞試験との両面から研究を進めてきた。

今回の研究では、同シミュレーション技術と風洞試験を活用して車の空気抵抗を低減するタイヤ設計技術を確立した結果、1つの具体的な設計案として装着時に内側となるタイヤ側面にフィン状突起を配置したタイヤ(フィンタイヤ)が考案された。

同タイヤはフィンのないノーマルタイヤに比べ、タイヤ自身の空気抵抗は悪化するものの、車全体の空気抵抗が低減したという。メカニズムとしては、フィンがタイヤの回転方向に誘起する渦状の空気の流れによってタイヤハウス内の圧力が変化し車体に前向きの力が生じることで、車の空気抵抗を低減することが判明した。

なお同社では今後、実車での評価に加え、タイヤ形状と空気の流れの関係の研究を進めることで、タイヤだけの性能追求ではなく"車全体の空気抵抗を低減するタイヤづくり"を推進し、自動車の燃費性能向上を実現していきたいとしている。

ノーマルタイヤ(左)とフィンタイヤ(右)のイメージ

フィンタイヤの空気抵抗係数(CD値)の改善量:空力シミュレーションと風洞試験の結果(ノーマルタイヤを0とした場合、1カウントは1/1000)

フィンの有無によるタイヤハウス内の空気の流れ:空力シミュレーションによる解析