IDC Japanは12月19日、国内携帯電話、およびスマートフォン端末の2012年第3四半期(7から9月)の出荷台数を発表した。これによると、2012年第3四半期の国内携帯電話出荷台数は、前年同期比6.0%増の1104万台となり、2四半期ぶりに「1000万台超」となるプラス成長となった。

プラス成長の主な要因は、スマートフォン出荷台数が順調に拡大傾向にあること、また、らくらくホンを含めた「スマートフォン以外」の携帯端末の出荷も堅調であったことが挙げられる。特にスマートフォン出荷に関しては、前四半期(4から6月)において60%台であったスマートフォン出荷比率が、72.1%にまで上昇している。

スマートフォン端末出荷におけるベンダー別台数シェアでは、「iPhone5」が市場投入され、アップルが4四半期連続で首位の座を堅持。第2位には、「ARROWSシリーズ」に加え、らくらくホンの「スマートフォン版」を市場投入した富士通がランクイン。CPUを含む主要部材調達の問題が解消されつつある中、「AQUOSシリーズ」を含めた新製品を積極的に発売しているシャープがトップ3に返り咲いた。また、NTTドコモおよびau向けの「Xperiaシリーズ」で販売好調を維持しているソニーが第4位となっている。

スマートフォンを含む全携帯電話出荷におけるベンダー別台数シェアでは、富士通が、前回第1位のアップルを逆転し、2四半期ぶりに首位の座に。「ARROWSシリーズ」の販売が堅調であることに加え、高齢者向けにニーズの高い、らくらくホン端末の出荷が好調であったことが、この主要因として挙げられる。第3位以下のベンダー順位は、スマートフォン出荷ランクと同様に、シャープ、ソニー、サムスンとなっている。

(上) 2012年第3四半期 国内携帯電話出荷台数ベンダー別 シェア (下) 2012年第3四半期 国内スマートフォン出荷台数ベンダー別 シェア 資料:IDC Japan

今後の見通しに関して、IDC Japan PC,携帯端末&クライアントソリューションの木村融人氏は「iPhone5を中心としてスマートフォン需要は引き続き好調を維持する可能性が高い。ただし、『iPhone独り勝ち』の状況がこのまま続けば、国内通信事業者に限らず、端末ベンダーの2013年の戦略に大きな影響を与える可能性が高まる」と説明している。