小判ほしくないですか? 山吹色のずっしりした小判。人はどうも金色の物に弱いようです。この小判、いくらぐらいで買えるものでしょうか。中野ブロードウェイで『野崎コイン』を営んでいる社長の野崎茂雄さんにお話を伺いました。

本物の小判は10万円ぐらいから!

――「小判」はいくらぐらいで買えるものでしょうか?

それはピンキリなんですが、一般的に入手しやすい小判というのは8種類ぐらいですね。一番安いのは「万延小判」で、10万円ぐらいからで買えます。

――やはりそれぐらいはするものなんですね。

本物の小判はそれぐらいからですね。レプリカとかニセモノだと安く買えるでしょうけれども。

――鑑定書みたいなものは付いているのでしょうか。

それは付いていたり付いていなかったりします。お店独自の鑑定書を付けたりすることもありますし。

――鑑定書付きだと値段が上がったりするでしょうか?

そうですねえ、5,000円-2万円ぐらい価格が上がるでしょうか。

入手しやすい小判の種類と価格

万延小判(通称:ひな小判)

  • 1860年発行

  • 縦35mm 横20mm

  • 時代刻印はありません

  • 3.3g

  • 金品位:57.4%

  • 10万円~

天保小判

  • 1837年発行

  • 縦60mm 横30mm

  • 裏面に「保」の刻印があります

  • 11.2g

  • 金品位:56.8%

  • 15万円-20万円

文政小判

  • 1819年発行

  • 縦60mm 横30mm

  • 裏面に「草文」(草書の文の字)の刻印があります

  • 13.07g

  • 金品位:55.9%

  • 15万円-20万円

元文小判

  • 1736年発行

  • 縦65mm 横33mm

  • 裏面に「文」の刻印があります

  • 13g

  • 金品位:65.3%

  • 15万円-20万円

享保小判

  • 1714年発行

  • 縦70mm 横35mm

  • 裏面に刻印はありません

  • 17.78g

  • 金品位:86.1%

  • 50万円-70万円

宝永小判

  • 1710年発行

  • 縦60mm 横32mm

  • 裏面に「乾」の刻印があります

  • 9.34g

  • 金品位:83.4%

  • 150万円-200万円

元禄小判

  • 1695年発行

  • 縦70mm 横38mm

  • 裏面に「元」の刻印があります

  • 17.81g

  • 金品位:56.4%

  • 200万円-300万円

慶長小判

  • 1601年発行

  • 縦70mm 横38mm

  • 裏面に刻印はなし

  • 17.73g

  • 金品位:85.7%

  • 100万円-150万円

一番珍しい小判は500万円以上します!

――最も高い値段はつく小判は何でしょうか?

それは「佐渡小判」と呼ばれるものですね。「享保小判」なんですが裏面に「佐」の刻印が入っています。

――それは佐渡で作られたということなんでしょうか?

そうです。佐渡金山で作られたということです。大変に珍しい小判で希少価値がとても高いのです。

――いくらぐらいするのでしょうか?

500万円以上ですね。

――流通量は少ないんでしょうね。野崎さんは実物をご覧になったことはありますか?

ええありますよ。数年に1枚出てくることがありますね。

小判の価値は「骨董的価値」

――小判を買う時に注意することはありますか。

本物の小判をほしいのであれば、やはりきちんとしたお店で購入した方がいいと思います。変に安すぎるものなどは注意すべきです。

――小判の価格はそこに含まれている金の量と関係していますか?

いえ、小判に含まれている地金の量というのはとても少ないんですよ。ですから小判の価値というのは「骨董的な価値」です。その小判の希少性と状態で価格がつきます。

――なるほど。状態で注目するのはどんな点でしょうか。

そうですね、例えば両替商が押した刻印の数が少ない方がいいですね。

――両替商の刻印とは何ですか?

両替商が両替をする時に、「これは本物」という意味で「自分の屋号」の印を押すんですよ。

――それは知りませんでした。

これがたくさんあるよりは少ない方がキレイですからね。美術的に価値が上がります。


本物の小判は1枚で10万円くらいからとのこと。千両箱を一杯に! なんて夢のまた夢です。トホホ……。

(谷門太@dcp)