STMicroelectronicsは、28nm FD-SOI技術プラットフォームの量産化へ向けたステップとして、自社がフランスに保有するクロル工場の300mmウェハ製造設備にて先行生産を開始したことを発表した。

同社のFD-SOI技術は低消費電力と高性能の両立が可能であることから、すでにST-Ericsonの次世代モバイルプラットフォームに採用済みのほか、同プラットフォームは、シリコン上で検証済みの設計プラットフォームを使用するほか、基礎ライブラリ(標準セル、メモリ・ジェネレータ、I/O、AMS IP、高速インタフェース)一式や、高電力効率を実現する高速機器の開発に最適化された設計フローが含まれているという。

同先行ラインについて同社は、プロセス後のウェハ・テストでは、従来の技術よりも性能・電力面で優れ、費用対効果の高いソリューションを28nm以降で実現できることが証明されたほか、最大動作周波数2.5Ghz超で、供給電圧が0.6V時でも800MHzで動作するST-EricsonのNovaThor ModApプラットフォームのマルチコア・サブシステムにおける評価結果が期待通りであることが裏付けたと説明する。

また、重要なこととして、28nmバルクCMOSから28nm FD-SOIへのライブラリおよびフィジカルIPの移植が容易に行えること、ならびにMOSヒストリー効果がないため、従来のCADツールを使用したデジタルSoC設計プロセスとFD-SOI設計手法がバルクCMOSと一致することも確認されたという。