Analog Devices(ADI)は、複雑な任意波形を発生させるオンチップのSRAMと、ダイレクト・デジタル・シンセサイザ(DDS)を集積した、180MSPS波形発生器内蔵D/Aコンバータ(DAC)製品として、12ビットクワッド・チャンネル品「AD9106」と14ビットシングル・チャンネル品「AD9102」の2製品を発表した。

オンチップDDSは、24ビットのチューニング・ワードで最高180MHzまで動作するため、10.8Hz/LSB(最下位ビット)の周波数分解能を実現することが可能。また、すべてのDACに対する単一周波数出力と各DACに対する独立したプログラマブル位相偏移出力が提供されているほか、パターン・データには、SRAMに保管された波形データの直接出力データ、DDS出力の振幅変調のためのSRAM内データ、あるいはSRAMからのDDS周波数チューニング・ワードによるチャープ変調や周波数偏移変調(FSK)を提供するためのデータが含まれている。また、パターン・コントロール制御のためのステート・マシンを内蔵しているため、ユーザーはすべてのDACに対するパターン周期、各DACチャンネルの信号出力に対するパターン周期内でのスタート遅延、さらにパターンの繰り返し周期をプログラミングすることが可能なほか、SPIを用いることで、デジタル波形発生器を構成し、パターンをSRAMにロードすることができる。

電源電圧は1.8V~3.3Vに対応し、スリープ・モード時の消費電力5mW未満(@ 3.3V)を実現。ナイキスト周波数までのSFDRは1MHz出力時で86dBc、10MHz出力時で85dBcとなっており、位相ノイズは-140dBc/Hz(1kHzオフセット、180MSPS、8mA)、差動電流出力は8mA max(@ 3.3V)となっている。

なお、2製品ともにすでサンプル出荷を開始しており、AD9106は量産出荷も開始している。一方のAD9102は2013年1月からの量産出荷を予定しており、2製品それぞれの1000個受注時の単価はAD9106が15.00ドル、AD9102が12.35ドル(いずれも米国における参考価格)となっている。