高円寺で見かけたトラ猫さん

東京都・杉並区の高円寺。多様な商店が軒をつらね、細い路地にも昔ながらのお店が並びます。街ゆく人も個性的で、ギターを背負った女性が足早に駆けていきました。活気あふれる人々の姿を横目に、猫を探してぶらりと散歩に出掛けました。

羊毛フェルトで多彩な猫たち

作家寺田佳代さんの羊毛フェルトで作った猫とアクリル画

最初に訪れたのは、猫雑貨&ギャラリーのお店、「猫の額」。高円寺でお店を始めてから10年目で、今春に高円寺駅南口の店舗から現在の北口の店舗に移動したそうです。

個展の開催は11月28日まで。作家在廊は金土日12時から17時

イラストレーター、フェルト作家の寺田佳代さんの個展「福来軒へようこそ! ~からあげ定食はじめました~」が開催されていました。「福来軒」とは、寺田さんが描く猫マンガの中のラーメン屋。猫の店主や猫のお客さんなど、かわいい猫がたくさん登場します。

ジャッコさん(手前)とチャットくん(奥)

事故で片目を失くしたチャットくんですが眼帯がオシャレに演出

「リアルでありながらも、漫画の中の猫が立体化した感じを出したかった」と寺田さん。「猫の額」の看板猫「チャットくん」と、店主である木村さんの愛猫「ジャッコさん」がモデルのオブジェは、それぞれ高さが51センチ、43センチの大作です。

ねこたまストラップ735円(左)とこにゃんころんストラップ(右)1,260円

また、お店には羊毛で作られた猫の肉球ストラップや、淡いグリーンの瞳の猫ストラップもありました。柔らかでふわふわの手触りです。

ほかにも、個展の題名にもなっている福来軒が舞台の漫画やイラストの展示、商品の購入者にくじ引きのサービスがあるなど、楽しみがいっぱいの展示会です。

猫絵ギャラリー工房レトロさんの行灯(左)と作家おおやぎえいこさんのジャケット・パロディ(右)

さらに「猫の額」では、隔週でさまざまな猫作家さんの個展、グループ展を開催しており、常時100人以上の猫作家さんの作品、雑貨を置いています。小さな雑貨から、絵画や立体造形まで猫づくしのアート空間は、どれだけ見ていても飽きません。

お店の看板は切り絵作家のさとうみよさんほか作家さんたちが手がける

お店の奥では看板猫チャットくんの姿も。事故にあって重傷を負ったものの保護され、現在は元気に暮らしています。静かにお昼寝をしていたので、写真を撮ることはできませんでしたが、寺田さんの作品にそっくりなので、まだ会ったことがないという方もぜひ会いに来てください。

なお、「猫の額」では12月14日から開催される「子供たちの描いた猫展・9」の作品を募集中。3~15歳までの子供たちの描いた猫の絵を募集しています。参加者全員に記念品のプレゼントがあるそうです。

■店舗情報
店名:猫雑貨&猫ギャラリー 猫の額
場所:東京都杉並区高円寺北3-5-17
営業時間:12:00~20:00。木曜休(祝日営業)。

動物ドーナツにノックアウト!

ドーナツ屋「floresta」

次に足を運んだのは、高円寺の北側にある庚申(こうしん)通りの商店街。話題のドーナツ屋「floresta」があります。三毛猫をはじめとした、動物柄のドーナツが人気を集めています。

左からくろ、みけ、とら。動物ドーナツは1個170円から200円

2年前の「こんなドーナツあったらいいなコンテスト」をきっかけに、動物柄のドーナツが誕生したそうです。高円寺店では、21種類の動物たちのデザインがあり、季節やコラボなど期間限定の動物ドーナツが販売されています。

ひょっこり顔を出す猫たち。通りを挟んで庚申塔があり、レトロな町並み

ドーナツはテークアウトのほか、店頭のテーブルでもいただくことができます。今回は「しろ」と「とら」、それからももジュース(300円)をオーダー。カフェラテ味のとらは油っこさがなく、ほのかな苦味とあま味がひろがります。ホワイトチョコ味のしろはふわふわの生地に、コーティングされたチョコの食感が加わって楽しい一品。高円寺の景色とともに、ぜひお楽しみください。

■店舗情報
店名:floresta高円寺店
場所:東京都杉並区高円寺北3-34-14
営業時間:9:00-21:00。不定休。

裏路地で猫たちに出会う!

しっぽが特徴的な猫さんは毛づくろい中

次は、高円寺らしい裏路地を歩きます。この日は小柄な猫ちゃんに出会いました。日なたぼっこをしながら、優雅に毛づくろいをしていました。

高円寺の裏路地は、猫たちの遊び場です。ゆっくりと歩いて日当たりのいい場所を眺めてみてください。きっと猫たちの姿があるはず。

猫の切り絵、猫の人形をめでる

注目の作家が集まるギャラリー

そんな裏路地の雰囲気にぴったりの展示が、ギャラリー「たまごの工房」で開催されていました。その名も「高円寺裏通り猫展」。

さとうみよさんのポストカード(左)と、Ayumiさんがデザインしたぬいぐるみ(右)

作家のさとうみよさんが手がけた切り絵のポストカードには、シャム猫やトラ猫など、さまざまな種類の猫ちゃんが描かれていました。色彩も鮮やかで目に楽しい作品です。

作家Ayumiさんがデザインした紫色の猫も登場。ぬいぐるみの製造・販売を行う内藤デザイン研究所が制作したそうで、大小さまざまな大きさの人形が展示されていました。

小さなスペースながら、ゆったりと落ち着けるギャラリー「たまごの工房」。高円寺を訪れた際にはぜひ立ち寄ってみてください。

■店舗情報
店名:ギャラリーたまごの工房
場所:東京都杉並区高円寺南3-60-6
営業時間:12:00から19:30(日曜18:00まで)、月曜休、火曜不定休

何気なく散歩していても、雑貨屋さんや洋服屋さんにも猫のデザインのものが多い高円寺。新たな発見があるかもしれません。裏路地に入ると猫たちに会えるお散歩をどうぞお楽しみください。

<著者プロフィール>
一色千里
ハンドメイドや動物、街歩きや旅をテーマに撮影と執筆を手がける。著書に「東京手づくり市マップ」「東京ねこ街案内」(角川グループパブリッシング刊)などがある。新著「カワイイ動物カフェへようこそ!」が日本工業新聞社より2012年11月2日に発売!

猫情報を配信するちまたの猫暮らしを運営するほか、物語で街と人をつなぐ「本のカケラ」など街イベントも積極的に企画。ホームページツイッターも運営中。