厚生労働省は15日、2012年「賃金構造基本統計調査(初任給)」の結果を発表した。同調査は、10人以上の常用労働者を雇用する民営事業所のうち、新規学卒者を採用した1万4,109事業所について取りまとめたもの。実施時期は7月で、新規学卒者の6月分の賃金を調査した。

それによると、大学卒の平均初任給は前年比1.2%減の19万9,600円となり、2年ぶりに減少したことが判明。男女別に見ると、男性は同1.6%減の20万1,800円、女性は同0.7%減の19万6,500円となった。

大学院博士課程修了者の初任給は前年比3.6%減の22万6,100円で、男性は同3.5%減の22万5,600円、女性は同3.8%減の22万8,400円。高専・短大卒の初任給は同1.4%減の17万100円で、男性は同1.4%減の17万3,000円、女性は同1.2%減の16万8,400円となった。一方、高校卒の初任給は15万7,900円で、同0.9%増加。男女別では、男性が同0.4%増の16万100円、女性が同1.2%増の15万3,600円だった。

性、学歴別初任給の推移(出典:厚生労働省Webサイト)

企業規模別に見た場合、大卒では、大企業(常用労働者1,000人以上)が前年比2.5%減の20万2,200円、中企業(同100~999人)が同2.0%減の19万8,200円となったのに対し、小企業(同10~99人)は同3.7%増の19万6,500円となった。一方、高校卒では、大企業が同0.3%増の15万9,400円、中企業が同1.2%増の15万7,600円、小企業が同0.8%増の15万6,800円となっている。

産業別に見ると、大卒で最も初任給が高かった産業は、男女ともに「学術研究、専門・技術サービス業」で、男性が21万3,300円、女性が20万8,100円。以下、男性は2位「情報通信業」20万5,800円、3位「建設業」20万5,700円、女性は2位「情報通信業」20万4,400円、3位「卸売業、小売業」19万9,800円と続いた。反対に、最も低かった産業は、男性が「医療、福祉」で19万1,500円、女性が「宿泊業、飲食サービス業」で18万6,700円となった。

高校卒で最も初任給が高かった産業は、男性が「建設業」で16万6,200円、女性は「生活関連サービス業、娯楽業」で16万4,500円。以下、男性は2位「生活関連サービス業、娯楽業」16万5,900円、3位「情報通信業」16万4,200円、女性は2位「学術研究、専門・技術サービス業」15万7,800円、3位「運輸業、郵便業」15万7,500円との順となった。一方、最も低い産業は、男女ともに「金融業、保険業」で、男性が14万1,400円、女性が14万5,000円だった。

初任給の分布について調べたところ、大学卒では、男女とも20万円台が最多で、男性が41.2%、女性が29.2%。高校卒では、男性は16万円台が35.1%と最も多かったのに対し、女性は15万円台が30.7%で最多となった。