Analog Devices(ADI)は、基板上の面積が競合デバイスの1/3で、高度な産業用データ・アクイジション・システム(アナログ信号の収集/デジタル変換システム)向けに設計の簡素化と小型化を実現する高集積データ・アクイジションIC「ADAS3022」を発表した。

同製品は16ビット PulSAR逐次比較型A/Dコンバータ・コア(1MSps)を搭載したデータ・アクイジションICで、高インピーダンス入力バッファや7段階に切り替えられるオンチップPGIA(プログラマブル・ゲイン計装アンプ)を集積している。

また、8チャネルの低リーク・マルチプレクサや、高精度の低ドリフト4.096Vリファレンス電圧源も内蔵しているほか、8入力のアナログ・データ・チャンネルを備え、それぞれ16ビットのフル・ダイナミックレンジ分解能を持っている。PGIAとの組み合わせにより、±10Vから最小±640mVまでの入力レンジで動作し、広範囲のセンサと連携できるように最適化することが可能になるという。

さらに、製造時に全体がキャリブレーションされ、試験済みのシグナル・チェーンを部品として提供。これにより、セトリング・タイム、信号バッファリング、レベル・シフト回路、ノイズの増大やその除去など、従来の個別部品を組み合わせたシステム設計工程において必要であったアナログ・シグナル・コンディショニング上の検討課題を解決することが可能となっている。

なお、同製品はすでにサンプル出荷を開始しており、1000個受注時の単価は14.95ドル(米国における販売価格)となっている。

高集積データ・アクイジションIC「ADAS3022」のパッケージイメージと機能ブロック図