NECは11月13日、IAサーバ「Express5800シリーズ」において、従来機と比較して、処理性能を大幅に向上させたラック型サーバ「Express5800/HR120a-1」の販売を開始すると発表した。

「Express5800/HR120a-1」

「インテル Xeon Phi コプロセッサ」

新製品は、Intel Xeon E5-2600製品ファミリーを2個まで搭載可能。これに加え、Intel MICアーキテクチャに対応し、4スレッドを実現するコアを50個以上搭載可能な補助処理装置のIntel Xeon PhiコプロセッサをPCIボードに最大2枚まで搭載可能。これにより、1サーバで最大520スレッドの同時並列処理を実行可能。

Intel Xeon Phiでは従来と異なり、処理データを、PCIボードに搭載するアクセラレータに主記憶装置(メモリ)を経由せずに直接通信させる事が可能で、データ処理における遅延時間を短縮する。さらに、NEC独自の「シンメトリックアーキテクチャー」の採用により、コプロセッサ当たりのI/Oデータ通信帯域を広げることでデータアクセスを高速化。これにより、従来機比最大15倍の処理性能を実現。

また、1台あたりのパフォーマンス向上により、システム全体として必要なサーバ台数を少なくすることが可能で、TCOを最大80%削減可能。さらに、新製品はx86アーキテクチャで利用されているアプリケーション開発環境に対応しているため、並列化の際に、新たな開発環境の整備や教育等が不要で、アプリケーション開発費用を最小限に抑えることが可能。

画像や動画を利用したセキュリティシステムや製造ラインの検査システムなど、非構造化データを含むビックデータの活用が注目される中、新製品は高速かつリアルタイムなデータ処理を低コストで実現する。

「Express5800/HR120a-1」の価格は140万円からで、出荷開始日は2013年2月下旬の予定。

構成は、Intel Xeon E5-2609(4コア/2.40GHz)×1、16GBメモリ(DDR3L-1600)、1TB HDD×1(SATA)、1000BASE-Tボード、Intel Xeon Phi コプロセッサー 3100製品ファミリー×1。