Integrated Device Technology(IDT)は、マルチスタンダードの4G/3G/2Gセルラー基地局や産業用アプリケーション向けに、MSB(最上位ビット)遷移時の過渡的グリッチを最大95%削減(9.5dB未満)を実現したデジタル・ステップ・アッテネータ(DSA)「Glitch-Free DSA」として、7ビット品「IDT F1950」および6ビット品「同F1951」を発表した。これら2製品を用いることで、顧客は、ソフトウェア・インタフェースを簡素化しつつ信頼性を向上させ、パワー・アンプなどの高価なサブアセンブリへの損傷を防ぐことができるようになるという。

2製品ともに、無線基地局装置(BTS)の受信、送信、デジタル・プリディストーション(DPD)パスで要求される条件に最適化されたデジタル・ステップ・アッテネータで、同社の独自技術であるGlitch-Free技術により、セルラー通信システムの送受信パスでオーバーシュート(グリッチ)の減衰設定を省けると同時に、挿入損失を削減し、歪み特性の改善を可能としている。これにより、BTS内のハードウェアとソフトウェア・インタフェースを簡素化できるようになるため、コストが削減できるほか、オーバーヘッドの最小化が可能となる。

また、低いIM3(3次相互変調)歪みにより、DPDパスのパフォーマンスを向上することが可能で、トランスミッタのスペクトル・マスク準拠性を良好にできるため、消費電力の低減が可能となっている。

周波数100MHzから4000MHzの範囲で動作し、パラレルまたはシリアルのインタフェースを介して通信することが可能で、2GHzで1.3dB未満の低挿入損失、かつ全温度範囲で0.2dB未満の精度を実現しているため、レシーバ・パスで感度と信号対雑音比(SNR)を改善することも可能となっている。

なお2製品ともに、4mm×4mmの24ピンQFNパッケージを採用し、すでに特定顧客向けにサンプル出荷を開始しているという。

IDTのデジタル・ステップ・アッテネータ(DSA)「Glitch-Free DSA」