オリンパスビジュアルコミュニケーションズが10月25日に特別清算開始決定を受けたことがわかった。

帝国データバンクによると、同社は2003年にスポーツビジョン(動体視力)トレーニングシステムの研究や開発を目的として設立された企業。3D視覚体験技術を用いた、静止視力や動体視力などの視覚能力向上を目的としたスポーツ選手向け製品「POWER3D VISUAL TRAINING SYSTEM」や、機能性3D映像を用いた自動車運転シミュレーター「ドライバーズビジョン」などのソフトウエアやコンテンツを学校やスポーツ施設、一般個人などへ販売していた。

2003年には東京都から「中小企業の創造的事業活動の促進に関する臨時措置法」の認定を受けており、2007年にオリンパスが同社を買収し、100%出資子会社となっていた(その後、2010年にオリンパスの子会社、オリンパスビジネスクリエイツに親会社が変更されている)。

3D関連以外にも、写真入りIDカードが簡単に発行できる「スナップカード」の販売や眼科医向けに両眼視機能検査装置の販売、携帯電話向けのコンテンツサービスなど事業領域を拡大し、2010年3月期には年間で約1億8100万円の売上を計上していた。

しかし、研究開発投資の先行するコスト負担を売上高で賄えず、赤字決算が続くなど財務が悪化。2012年3月期には8億7400万円の債務超過に陥っており、黒字転換の見込みが立たないことから、一部事業を8月1日にオリンパスの関係会社に譲渡し、9月28日に解散した。

負債は2012年3月末時点で約9億869万円。