武田薬品工業は11月6日、米のEnvoy Therapeutics(Envoy社)と、武田薬品工業の子会社である武田アメリカ・ホールディングスがEnvoy社を買収することについて合意したと発表した。買収価額は最大で1億4000万ドル。

武田薬品工業によると、Envoy社は、既存の治療薬よりも有効性・安全性に優れる新薬の創製に特化した非上場の創薬研究企業。Envoy社が保有するbacTRAP技術は、最新の遺伝子工学と分子生物学を組み合わせた技術であり、特定の細胞型に発現するタンパク質生成遺伝子の可視化、抽出を可能にするという。

今回の買収により武田薬品工業は、bacTRAP技術や研究材料、データベース、解析技術などを獲得するほか、Envoy社が有するパーキンソン病や統合失調症に伴う認知機能障害を対象とした中枢神経系の前臨床パイプラインも獲得する。

Envoy社は2013年3月まで所在地であるフロリダ州ジュピターで業務を行い、その後、同社の研究者や経営陣の大部分は武田カリフォルニアに移転し、武田薬品工業の医薬研究本部の傘下に入るとしている。