楽天は11月6日、フランスの大手物流事業者Alpha Direct Services(以下、ADS社)の全株式を取得し、完全子会社化することを決定したと発表した。

ADS社は高度なオートメーション技術を有する物流事業者で、独自のイノベーションを用いた物流工程のオートメーション化により、低コストで業界最高レベルの物流オペレーションを実現しているという。また、eストアの構築や注文・在庫管理、配送、顧客対応といったECビジネスの物流に関する全工程を効率化しており、ネスレやロレアルなど、100社以上の幅広い顧客企業を持っている。

ADS社は現在、創設者のAdrian Diaconu(エイドリアン・ディアコヌ)氏と、フランスの政府系投資会社FCDEが主要株主で、買収についてはフランス政府機関の承認が必要になるという。

楽天はADS社を買収することでEC分野での物流サービスを強化する考え。フランスで事業展開をする楽天グループのPriceMinister社のECサイトとADS社の物流サービスの連携などにより、欧州、米国およびアジア地域を含む海外諸国において、商品の注文から配送までを含めた総合的な物流サービスを本格的に進めるとしている。

また、日本国内においては「楽天市場」の物流拠点にADS社のテクノロジーを導入し、効率化を図るとしている。