10月12日にバス事業を停止する旨の発表を行っていた岡山県の井笠鉄道が、11月2日に自己破産を申請したことがわかった。

帝国データバンクによると、同社は1911年に設立。もともと鉄道事業を主業としていたが、1971年に撤退、バス専業となり、岡山県西部から広島県東部地区までをカバーする定期路線を運行していた。

地元では「井笠バス」の名称で親しまれ、地域の足として生活路線を担う一方、貸し切りバスの運行のほか一部不動産賃貸事業も手がけ、1980年3月期は20億円を上回る年間売上を計上していた。

しかし、マイカー通勤の増加や路線地域の過疎化、運行地域での鉄道開通などもあって乗客数は大幅に減少。赤字路線の統廃合や遊休資産売却、経営多角化などの対応をとってきたが、2012年3月期の年間の売上高は約9億円に落ち込み、自己破産に至った。

負債は2012年3月期末で約32億3600万円の見込み。

井笠鉄道のホームページ(現在は閲覧不可)