俳優の妻夫木聡、浅野忠信、桐谷健太、井筒和幸監督らが3日、映画『黄金を抱いて翔べ』の初日舞台あいさつに登場した。

舞台挨拶に登場した妻夫木聡(左)と浅野忠信

同作は、ベストセラー作家・髙村薫のデビュー作で、日本推理サスペンス大賞を受賞している犯罪小説『黄金を抱いて翔べ』を映画化作品。過激派や犯罪者相手の調達屋をしている幸田(妻夫木聡)は、大学時代の友人・北川(浅野忠信)から、大阪市の住田銀行本店地下にあるという金塊強奪計画をもちかけられる。北川が幸田とともにメンバーに選んだのは、システムエンジニアの野田(桐谷健太)、北川の弟・春樹(溝端淳平)、爆破工作のエキスパートで国家スパイの裏の顔を持つモモ(チャンミン)、元エレベーター技師でチームの相談役でもあるジイちゃん(西田敏行)。だが、計画が進むにつれて彼らの周囲で謎の事件が次々と発生し、強奪計画は思いもよらぬ方向へと進んでゆく。

MCから、同作の注目ポイントを聞かれると、井筒は「そりゃ全部ですよ。一生懸命やりましたし、久しぶりのスター映画なんで。お酒も飲まずにやりました、ねっ?」と浅野に同意を求めるも「(元々、お酒が)飲めないんです」と返され、改めて妻夫木に聞くも「何日か飲みました」との返答。最後の頼みの綱と言わんばかりに西田に同意を求めるも「私は随分飲みました」と西田は深々と頭を下げた。まったく同意を得られなかった井筒は、仕切りなおし「みんなストイックに頑張ったんですよ!」と笑いながら語った。

ひとり1kg(約460万円相当)ずつの黄金をもち、フォトセッションを行った主要キャストと監督

また、同様の質問に妻夫木は、最後のシーンを見て「こんなかっこいい日本映画あるんだって感動して、自分で自分の映画を見て泣いてしまいました」と感無量の様子。一方の桐谷は、街なかにある証明写真ボックスで着替えるシーンのパンツの柄に注目してほしいと答え、「あのパンツは(撮影後に)実際にもらってたまに履いています。今日は鬼のパンツです。破れない強いパンツです」と会場の笑いを誘った。さらに西田は「公園を掃除するシーンの竹箒の位置ですね。意外と難しいんです!」とベテラン俳優らしくユーモアに飛んだコメントで会場を笑いの渦に巻き込んだ。

同作のタイトルにちなみ、実際に"黄金を抱いて"報道陣向けの写真撮影に臨んだ井筒監督は、イベントの最後に黄金を手にしながら「(黄金は)重いですよ。(映画『黄金を抱いて翔べ』も)重い映画ですから。20回くらい見てください」とPR。また妻夫木は「みんな命を込めて作った映画です。日本映画にこんな底力があるんだと感じたので、その想いをいろんな人に届けてほしい」と会場に集まった観客に訴えかけていた。