Texas Instruments(TI)は、第2世代FRAM搭載の低消費電力マイコン「Wolverine(ウルヴァリン)プラットフォーム」として初めての製品になる「MSP430FR59xx」 のサンプル出荷を開始したことを発表した。

同製品は、ワイヤレス・センシング、エネルギー・ハーベスト、スマートグリッド、産業/ビル管理、民生機器、およびセキュリティ機器をはじめとした幅広いアプリケーションの高性能化および低消費電力化を同時に実現することを目的に開発されたもので、最大64KBのFRAMを搭載するほか、DMA、12ビットのA/Dコンバータ、アナログ・コンパレータ、静電容量方式タッチパッドI/O、シリアル・インタフェースをはじめとした多数のペリフェラル群を搭載している。また、セキュリティ機能においてもAES暗号化、メモリ保護(MPU)や乱数発生器(DRNG)などをハードウェアで搭載しているため、高い性能を低消費電力で実現することが可能である。

消費電流360nAのリアルタイム・クロックモード、100μA/MHz未満のアクティブモード、6.5μsと高速のウェイクアップ・タイムおよび、電源電圧監視ならびに消費電流75μAの12ビットA/Dコンバータをはじめとした高精度ペリフェラル動作モードなど、すべてのモードでウルヴァリン・プラットフォームは低消費電力性能を提供することが可能だという。また、FRAMの内蔵によりフラッシュおよびEEPROM搭載のマイコンと比較して、ビット単位250分の1のエネルギーで、100倍を超える書き込み速度を実現することが可能になるという。

なお、同製品のサンプル出荷に併せて、ウルヴァリン・プラットフォームに対応したターゲットボード「MSP-TS430RGZ48C」が75ドル(参考価格)、デベロッパーズ・キット(英語)「XMS430FR5969」が同149ドルで、それぞれ同社より提供されている。