NXP Semiconductorsは、カーラジオとオーディオシステムとして用いられるAM、FM、DABチューナを組み込んだRFCMOS1チップチューナ「SAF775x」を発表した。

同製品は同社のDirana DSP製品の第3世代製品にあたるもので、これまでの相互干渉をさけるために、アナログRFチューナとデジタル信号処理で異なるプロセスを用いて、分離されていたものを、1チップに統合しており、これによりシステムの小型化やコストの低減を図ることが可能になる。

同製品はオープンなTensilicaのDSP「HiWi 2」を搭載しており、これによりカーオーディオメーカーは高価な外付けICを追加することなく、差別化のための柔軟な選択が可能になると同社では説明する。また、オープンなプログラマビリティにより、カスタマ側で独自の機能をプログラムしたり、サードパーティのソフトウェアを動作させることも可能だという。

さらにDSPコアはサードパーティのオーディオ処理に活用できるほか、コア上でエンジン音のノイズを除去するアプリケーションを動作させることも可能であり、これによりエンジンシリンダーを休止させた際に発生する不快な高調波音の低減などが可能となるという。

なお、同製品はすでにサンプル出荷を開始しているという。

SAF775xを搭載したカーラジオのコンセプトモデル。右上の一番大きなチップがSAF775x