『宇宙海賊キャプテンハーロック』や『銀河鉄道999』などで知られる漫画家の松本零士が23日、藝術文学勲章シュヴァリエを受章し、在日フランス大使館にて叙勲式が行われた。

松本零士(左)とベルトラン・フォール文化参事官(右)

藝術文学勲章とは「藝術と文学の分野において卓抜な功績を残した者、もしくはフランスおよび世界においてこの分野の発展に著しく貢献した者に授けられる勲章」のことで、シュヴァリエは「勲章の階級で"騎士"」を意味している。

在日フランス大使館のベルトラン・フォール文化参事官は、「あなたは、日本はもとより世界における日本のマンガとアニメの認知と普及に大きく貢献されました。とりわけフランスは日本に次いで世界第2位のマンガ・アニメの消費大国に成長しており、第九藝術という共通の関心を通じて日仏両国が近しい存在である証となっています。マンガは光輝く日本文化の一部を構成しており、あなたがその代表的な人物であることは誰しもが認めるところであります」と松本に惜しみない称賛を送った。

さらに、同参事官はフランスでの松本の活躍にも触れ「特にフランスでも80年代において一世を風靡した『宇宙海賊キャプテンハーロック』はフランスにおいて最もファンが多い松本零士作品ではないでしょうか。 また、スーパーバイザーをお努めになられたアニメ映画『インターステラ5555』のサウンドトラックは、フランスのバンドであるダフトパンクが担当しており、今後もこのような日仏両国文化のコラボレーションが発展していくことを切に望んでおります」とその功績を称え、今後のコラボレーションにも期待を寄せた。

受章を受け、松本は「私の父親がパイロットをしていた頃、フランスの飛行協力隊のラ・フォーレ大佐とこの東京の空で編隊を組み、ともに飛んでいたと聞いており、父もこの受章を喜んでいるに違いありません。また終戦直後ではありますが、苦労して手に入れたフランス映画や漫画に数多く触れ、中でも17歳の時に観たジュリアン・デュヴィヴィエ監督の『わが青春のマリアンヌ』は、少なからず影響を与えた名作であります」と自身のフランスとの縁(えにし)を語り、さらなる創作活動に励むことを宣言している。