叙勲式の様子。

松本零士が、フランスの芸術文学勲章シュヴァリエを受章。10月23日に在日フランス大使館にて叙勲式が執り行われた。

シュヴァリエは芸術・文学の分野において功績をあげた人物に贈られる勲章。零士は、日本のマンガやアニメが世界に認知・普及されることに大きく貢献した人物として授章された。フランスは日本に次ぐ世界第2位のマンガ・アニメ消費大国として知られ、零士作品の「宇宙海賊キャプテンハーロック」は国内でも人気の高い作品だ。そのほかアニメ「インターステラ 5555」の音楽はダフト・パンクが担当しており、零士作品を通して日仏両国の関係が近づいたことなども評価されている。

松本零士コメント

本日はこのような晴れがましい栄誉をえましたことは、ひとえに皆様のおかげと心より御礼申し上げます。
私の父親がパイロットをしていた頃、フランスの飛行協力隊のラ・フォーレ大佐とこの東京の空で編隊を組み、ともに飛んでいたと聞いており、父もこの受章を喜んでいるに違いありません。また終戦直後ではありますが、苦労して手に入れたフランス映画や漫画に数多く触れ、中でも17歳の時に観たジュリアン・デュヴィヴィエ監督の「わが青春のマリアンヌ」は、少なからず影響を与えた名作であります。
今回このような栄誉ある章に預かり、そういったフランスとの縁(えにし)を強く感じずにはおられません。来年(2013年)で画業60周年を迎えますが、みなさまのご支援にこたえるためにも、さらなる創作活動に励んでまいりたいと思います。

在日フランス大使館ベルトラン・フォール文化参事官からの祝辞

本日は貴方をフランス大使館にお招きできたことを大変嬉しく思います。藝術文学勲章は、「藝術と文学の分野において卓抜な功績を残した者、もしくはフランスおよび世界においてこの分野の発展に著しく貢献した者に授けられる勲章」です。
貴方は、日本はもとより世界における日本のマンガとアニメの認知と普及に大きく貢献されました。とりわけフランスは日本に次いで世界第2位のマンガ・アニメの消費大国に成長しており、第九藝術という共通の関心を通じて日仏両国が近しい存在である証となっています。マンガは光輝く日本文化の一部を構成しており、貴方がその代表的な人物であることは誰しもが認めるところであります。特にフランスでも80年代において一世を風靡した「宇宙海賊キャプテンハーロック」はフランスにおいて最もファンが多い松本零士作品ではないでしょうか。
またスーパーバイザーをお努めになられたアニメ映画「インターステラ 5555」のサウンドトラックは、フランスのバンドであるダフトパンクが担当しており、今後もこのような日仏両国文化のコラボレーションが 発展していくことを切に望んでおります。
以上の功績を称えるべく、本日、文化大臣の名において、貴方を藝術文学勲章のシュヴァリエといたします。