東芝は10月24日、同社の2次電池「SCiB」について、開発の効率化とスピードアップおよび量産製造体制の強化を目的に、新潟県柏崎市と長野県佐久市の2拠点で進めている開発と量産製造を柏崎工場に一本化すると発表した。

SCiBは、2007年に事業化された高い安全性を有し、長寿命、急速充電性能、低温動作などの特性を有する2次電池で電気自動車のほか、電動バイクなどでの採用が進んでいる。2008年3月より佐久工場で生産が開始されたが、生産量の拡大に向け、2011年2月より新規建設した柏崎工場での量産を開始しており、柏崎工場の稼働に伴い佐久工場は開発試作と一部製造を担うという体制に移行していた。

しかし、佐久工場におけるSCiBの量産製造に関しては、2012年上期から順次柏崎工場に移管が進められており、今回の体制変更により2012年11月で生産を終了する。また、開発部門についても、2013年3月までに柏崎工場に移管することで、柏崎工場において開発から量産製造までの一貫体制が構築されることになるという。

なお、同社では今回の施策により、今後、電気自動車向けや家庭用・産業用の蓄電池向けだけでなく、スマートグリッドなどで利用される大型の電力貯蔵システム向けも視野に入れた開発の効率化と、需要急増へのタイムリーな対応が可能な体制が確立され、事業のさらなる拡大が期待できるようになるとしている。

SCiBの開発から量産まで一貫して行われることとなる「柏崎工場」

電気自動車での適用などが進むSCiB