Wind Riverは、現在および将来にわたって増大するネットワークのトラフィックを加速、保護する高性能ネットワーク機器の開発に向けたソフトウェアプラットフォーム「Wind River Intelligent Network Platform」の発売を開始したことを発表した。

ネットワークトラフィックの爆発的な増加や接続される機器の増加などを背景に、ネットワークの可視化やセキュリティを強化した高品質なサービスの提供の実現が求められており。ネットワーク機器にも、より高いパフォーマンス、拡張性、インテリジェンスの強化、トラフィック解析、管理のための優れたツール、悪意のある活動を撃退するテクノロジなどの搭載が求められるようになってきた。また、SDN(Software Defined Networks)への移行をサポートする、拡張性の高いプラットフォームの登場も期待されている。

同プラットフォームは、データプレーンとコントロールプレーンの統合システムを管理するソフトウェアと、高速パケットアクセラレーションとコンテンツインスペクションを行うソフトウェアエンジンから構成されており、今後もトラフィックフローの分類の高速化といった、専門的な各種ニーズに対処する追加エンジンの開発が継続される予定だという。標準構成としては、Wind River Linux、および包括的な統合開発ツールが提供されるほか、他のLinuxディストリビューションなど、異なるコンポネントの組み合わせにも対応するとしている。

2012年10月24日時点で提供されているソフトウェアエンジンは以下のとおり。

  • Wind River Application Acceleration Engine:ラインレートのパケットスループットと、レイヤ4ネットワークプロトコルのパフォーマンス高速化を提供するエンジン。Linuxネイティブのネットワークスタックと比較してパフォーマンス向上が可能。指定されたパケットサイズのIP転送で最大1100%、UDPアプリケーションのスループットでは最大500%の向上が見込め、TCPのパフォーマンスも向上できるという。
  • Wind River Content Inspection Engine:高速パターンマッチングDPIソリューションにより、拡張性のあるコストパフォーマンスに優れた手法を用いて、データのブロックやストリームを大規模な正規表現グループと照合する。同エンジンは、不正侵入防御、アンチウイルス、UTM(Unified Threat Management)など、大量のデータをラインレートでスキャンする必要のあるアプリケーションに最適だとする。

同プラットフォームは、Intel Platform for Communications Infrastructureなど、Intelアーキテクチャに最適化されており、Intelデータプレーン開発キット(Intel DPDK)とインテグレーション済みだという。そのため、同プラットフォームとIntel DPDKとDPIのようなアプリを組み合わせることにより、各種ネットワーク要素やセキュリティアプライアンス、携帯端末、ブロードバンドエッジデバイス向けに高パフォーマンスのソリューションを構築することが可能になると同社では説明している。

なお、同プラットフォームと各コンポーネントは、すでに提供が開始されている。