富士フイルム、サラシアがインフルエンザ感染症状を軽減することを確認

 

富士フイルムは10月17日、糖の吸収抑制効果があることで知られるサラシア属植物の腸管免疫に対する作用に関して京都府立大学の動物機能学研究室・動物衛生学研究室と共同研究を行った結果、サラシア属植物抽出エキスを摂取すると、免疫力の指標となるNK細胞の活性が高まり、インフルエンザ感染時の症状が軽減されることを、マウスを用いた試験における免疫学的解析・病理学的解析・臨床症状観察から実証したと発表した。

サラシアは、インドやスリランカなど南アジア地域に自生するデチンムル科のサラシア属植物(Salacia reticulata、Salacia oblongaなど)の総称で、インドに古くから伝わる伝承医学(アーユルヴェーダ)においては初期の糖尿病治療に使用されていたほか、最近では、サラシア属植物抽出エキスに含まれるサラシノール、コタラノールなどが、腸内でオリゴ糖の分解を促進する酵素(α-グルコシダーゼ)の活性を阻害することが確認され、サラシア属植物抽出エキスを摂取することで小腸での糖の吸収が抑制され、血糖値上昇を抑える効果があることが確認されている。

同社ではこれまでもサラシア属植物抽出エキスを摂取することで、腸内のpHの低下、腐敗産物やアンモニアを減少させるなどの腸内環境改善効果があることを実証してきたほか、小腸で糖の吸収が抑制されてオリゴ糖が大腸に届き、腸内フローラが改善され、腸管免疫系に作用し、小腸において免疫関連遺伝子の発現が高まることなども確認してきた。

今回の研究では、マウスにサラシア属植物抽出エキスを摂取させた試験を実施し、インフルエンザウイルスに感染させたときの免疫に関連する細胞の活性、臨床的な症状の観察、病理学的解析を行い、感染症に対するサラシア属植物抽出エキス摂取の作用解明が試みられた。

具体的な実験方法としては、生後8週齢のメスのマウス10匹を1週間の予備飼育後、2つのグループに分け、一方の群にはマウスの体重1kgあたり20mgのサラシア属植物抽出エキス懸濁液を投与し、もう一方の群には非投与とした。各グループとも水と餌は自由摂取とし、2週間の投与後、両方のグループにインフルエンザウイルス(H1N1)を鼻腔内接種することで実験的に感染させた。また、ウイルス接種後もサラシア属植物抽出エキス投与群においてはサラシア属植物抽出エキス懸濁液の投与を続けたという。

感染後、咳などの臨床症状の観察をするとともに、感染5日後に採取した臓器を用いて病理学的解析と免疫学的解析を実施。病理学的解析では肺などの組織を染色して顕微鏡で観察したほか、免疫学的解析では、以下のような方法でNK細胞活性が測定された。

蛍光色素で標識したターゲット細胞を、NK細胞が含まれる肺組織または脾臓組織由来の懸濁液と混合培養し、その後、死細胞のみを選択的に染色するもう1つの蛍光色素で二重標識する。これらをフローサイトメーターで解析し、ターゲット細胞の生細胞数、死細胞数よりNK細胞活性を求めた。また、ウイルス非感染時のNK細胞活性と比較するために、これらの実験とは別にインフルエンザウイルスを接種しない生後8週齢のメスの10匹のマウスを用いた同様の実験を行ったという。

免疫学的解析においては、感染5日目で、サラシア属植物抽出エキス投与の有無によって免疫に関連するNK細胞の活性値に差が見られ、肺および脾臓において、サラシア属植物抽出エキス投与によってNK細胞活性が有意に高値を示したという。

サラシア属植物抽出エキス投与、非投与の場合のインフルエンザウイルス感染マウス NK細胞活性を比較

また、インフルエンザウイルスを接種しないウイルス非感染のマウスを用いた同様の実験では、NK細胞活性の上昇は見られなかったことから、サラシア属植物抽出エキス投与によりウイルス感染時にのみNK細胞活性を上昇させることが明らかになった。

さらに臨床症状観察では、サラシア属植物抽出エキス投与群において、ウイルス感染に伴う咳の減少が見られたほか、病理学的解析においては、サラシア属植物抽出エキス非投与群において、肺に重度の炎症が見られたが、サラシア属植物抽出エキス投与群では肺炎によって引き起こされる組織障害の軽減が確認できたという。

これらの結果から、サラシア属植物抽出エキスを摂取することにより、インフルエンザウイルス感染時にNK細胞活性が上昇すること、およびインフルエンザウイルスに感染したときの症状が軽減されることが確認された。研究グループでは、サラシア属植物抽出エキスを摂取することにより、ウイルスへの防御力が高まり、ウイルスに感染したときの症状が軽減されたと推察しているとする。

なお、同社ではこれまでの研究から、サラシア属植物抽出エキスを摂取することで、腸内フローラが変化し、腸内の環境が改善されること、ならびに免疫調整が働くことを明らかにしてきていたが、今回の研究結果から、サラシア属植物抽出エキスを摂取することで、ウイルス感染時のNK細胞活性が上昇すること、およびインフルエンザ症状が軽減されるという新たな効果も確認するに至ったことで、今後はこれらの研究結果をもとに、サラシア属植物の新たな応用を検討していく方針としている。

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