Xilinxは、自動車向けARMプロセッサを使ったオートモーティブドライバアシスタンスシステム(ADAS)分野向けAll Programmable SoC「Zynq-7000」プラットフォームを発表した。

自動車メーカーでは、より多くのセーフティ機能を提供するために、死角検知、車線変更警告システム、駐車補助、衝突回避、歩行者検知、ドライバ覚醒度検知といった様々なADASアプリケーションをバンドル化しようとしている。ADASアプリに共通しているのは、各種のカメラや超音波センサを専用のリアルタイム処理システムと組み合わせていることだが、これらのシステムでは必要な処理に複数のチップを使用するとコストが高くなるほか、複数の開発プラットフォーム間でのスケールメリットを得るための柔軟性の確保も課題となっていた。

同プラットフォームは、ARMのデュアルコアCortex-A9 MPCoreプロセッサとプログラマブルロジックを1チップ化したもので、これにより、高い処理能力が必要なリアルタイムADASのパフォーマンスを向上させることが可能になるほか、多数のアプリケーションをバンドルするためのシステム統合度を高めつつ、コスト低減を可能としている。

プログラマブルシステムの統合により、ドライバアシスタンスにおいて重要な画像処理表示機能、車内ネットワーキング機能が必要なシステムの技術的要件にも応えられるといった、パフォーマンスや各種の利点に加えて、要求される温度、品質、信頼性要件などもオートモーティブ対応ということで、十分に満たしているとしている。

なお、同プラットフォームは2013年第2四半期の発売を予定している。デベロッパーは、現在利用可能な商業グレードのデバイスを使ってすぐにデザインを開始できるほか、Xylonのオートモーティブドライバアシスタンスキット「LogiADAK Zynq-7000 SoC」が、2012年12月より発売される予定となっている。