矢野経済研究所は10月15日、国内のオタク市場に関する調査結果を発表した。同調査はアニメや漫画、ライトノベル、同人誌、フィギュア、アイドル関連サービスなどを扱う事業者や業界団体などを対象に、2012年7月~9月に実施したもの。

発表によると、2011年度のオタク市場は前年度に引き続いてコアユーザーを確実に取り込みつつ、リーズナブルな商品・サービスの提供により「非オタク」である一般層を獲得しながら、堅調に推移していることがわかったという。

分野別に見ると、恋愛シミュレーションゲーム市場規模は前年度比30.4%増の146億円、オンラインゲーム市場規模は前年度比29.2%増の3868億円といずれも前年度の3割増となっている。このほか、歌声合成技術「ボーカロイド」やアイドル、メイド・コスプレ関連サービスも前年度より1割以上拡大している。

また同社は、SNSや動画共有サイトなどにより、商品・サービスを提供する事業者側とユーザーとの距離が非常に近くなっていることを2011年度の特筆すべき点として挙げている。情報発信と同時にユーザーの生の意見の収集に力を入れる事業者が増えているという。

オタク市場分野別市場規模推移と2011年度市場概況(発表資料より抜粋)

同調査の詳細レポート「クール・ジャパンマーケット / オタク市場の徹底研究 2012」は、書籍版(10万5000円)やPDFレギュラー版(10万5000円)が販売されている。