日本人向けに開発されたオンライン英会話プログラム「Rosetta Stone ReFLEX(ロゼッタストーン リフレックス)」

外国語トレーニングソフト「Rosetta Stone」を販売するロゼッタストーン・ジャパンは10月10日、日本人向けに開発したオンライン英会話プログラム「Rosetta Stone ReFLEX(ロゼッタストーン リフレックス)」の正式販売を開始。これにともない、報道関係者向けの説明会が開催された。

同プログラムは同社直販WEBサイトのみでテスト販売を行っていたが、紀伊國屋書店新宿本店のRosetta Stoneコーナー、ロゼッタストーン楽天市場店での販売を皮切りに、全国のRosetta Stoneコーナーで随時販売開始予定とのこと。

また、法人向け語学ソリューション「Rosetta Stone ReFLEX PRO」についても、近日中に提供を開始するという。

24時間、予約不要でネイティブコーチの英会話レッスンが受けられる

同社ではすでに、ネイティブコーチとの英会話レッスンが可能な「Rosetta Stone TOTALe(ロゼッタストーン トターレ)」というソフトを提供している。TOTALeはCD-ROMとオンラインサービスの併用だが、ReFLEXはすべてオンラインであり、英会話力の向上をさらに強化しているという。

また、いままで予約が必要だったネイティブコーチとの英会話レッスンも、ReFLEXでは24時間、予約不要で好きなときに受講可能になった。

「毎日自宅で、ネイティブコーチによるマンツーマンのレッスンが受けられるのはいままで市場になかった」と、同社代表取締役社長 塩濱剛治氏。ネイティブコーチは全員、アメリカ在住だが、常に数百人ものコーチが待機しているので、日本では深夜の時間帯に500人が一斉にレッスンを受講しても問題ないという。

TOTALeとの違いのひとつとして、ユーザーの英語力が挙げられる。TOTALeが基礎から総合的な英語力を身につけたい人であるのに対し、ReFLEXはある程度の英単語や文法を理解している人が対象。ReFLEXの販売開始にともない、レベルに合わせて選択できるようになった。

想定されるユーザー層は30代から40代のビジネスパーソンであるが、オンライン英会話レッスンに興味関心の高い20代の女性も視野に入れているとのこと。塩濱氏は、「TOTALeに並ぶ基幹商品に育てたい」と語った。

TOTALeとReFLEXとの違いを語る塩濱氏

日本人が克服すべき課題をクリアするプログラムを開発

同社が海外旅行経験のある20代から40代のビジネスパーソンに行った調査によると、飛行機内で英語で話しかけられたときに、4人に1人が「ジェスチャーのみでなんとか答えた」と回答したという。

このように、日本人は何年も英語を勉強したにもかかわらず、英語を話すことが苦手であり、単語や文法は理解しているものの、会話ができないジレンマを抱えている人が多いそうだ。

この問題に対し、「日本人の英語習得には3つのハードルがある」と、同社プロダクトマネジャーのグローズ ハナ氏。その問題点と克服法について、次のように解説した。

1つ目のハードルは、英語を「聞きとれない」ことだ。「L」と「R」、「S」と「TH」といった似た音の聞きわけが苦手なので、自ら発することができない。これを解消するためには、日常的に英語の音・発音に耳を慣らす必要がある。

2つ目は「とっさに言葉が出てこない」。これは、聞きとった英語を日本語に変換してから何を言おうか考えるため、時間がかかってしまうことが原因だ。また、一度も発したことのないフレーズを会話に使用することは難しく、反射的に英語が出るようにトレーニングしなくてはならない。

3つ目は「自信がない」。ある程度の英語力を身につけていても、実践する場がないので本当に話せるのか不安になってしまう人が多い。自信をつけるためには、日常的に外国人と会話をすることが重要である。

同プログラムでは、これらの問題をすべく、3年以上の期間を費やして開発。約1万件の日本人の発音データを収集し、弱点を分析することで、英語を話すことが苦手な日本人に特化した独自の英会話プログラムが誕生した。

会場では、ハナ氏によるデモンストレーションも行われた

日常生活やビジネスシーンで役立つ英会話を習得する

同プログラムは、「SKILLS」「REHEARSAL」「STUDIO」の3つのレッスンを通じて、日本人が苦手とする「聞く」「話す」能力を強化する。英会話の実践トレーニングを行うため、レッスンにはヘッドセットが必要だ。

「SKILLS」は、日本人の苦手な音声や発音に特化したリスニングトレーニング。ビンゴやパズルゲームなど、複数のゲームを楽しみながら、ネイティブの発音に耳を慣らすことができる。所要時間は約5~8分。

このトレーニングは、スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末にも対応しており、時間や場所を選ばずリスニングトレーニングを楽しむことができる。

聞きとった単語と同じ色のバブルをクリックして消していく「Bubble Mania」

「REHEARSAL」は、日常生活で使える英会話力を鍛えることが目的。カフェやホテル、飛行機など、約30種類ものシチュエーションを通して、実用的な言い回しやフレーズを学ぶことができる。所要時間は約15分。

このトレーニングにはAI(人工知能)が活用されており、ユーザーのレベルに応じたプログラムを提供する。そのため、習熟度に応じてプログラムの進行も異なるが、ユーザーの苦手な箇所を繰り返してレッスンすることができるので、より実践的な英会話を習得することができる。

日常生活に登場する、さまざまなシチュエーションに応じた英会話レッスンができる

ネイティブコーチとのレッスンができる「STUDIO」では、「REHEARSAL」でトレーニングした内容をリアルな英会話によってさらに強化していく。

ロールプレーイングの復習はもちろん、あいさつやレッスン内容に沿った世間話をすることもできるので、より英会話力を向上させることができるという。所要時間は約5~8分。

「STUDIO」では、ネイティブコーチによる英会話の実践トレーニングが可能

1回のレッスンは、この3つのプログラムで構成されている。所要時間は約25分。1日1回のみ受講可能であり、日本時間の4時で切り替わる。

なお、英語を使ったゲームを通じて学習者同士の交流を深めることができる「WORLD」というプログラムには、利用回数の制限はない。

「WORLD」では、語彙(ごい)力やリスニングを強化できる「PLAY」、世界中のユーザーと交流できる「TALK」、英語のストーリーを音読したり、ネイティブスピーカーの音読を聞くことができる「EXPLORE」という、3つのプログラムが用意されている。

ほかのユーザーとチャットなどを楽しめる「WORLD」

これらのレッスンを毎日継続することで、リスニング能力や英会話力が向上するという。習熟レベルには個人差があるが、3~6カ月間継続すれば、効果を実感できるとのこと。また、英会話力を定着させるためにも、同社では最低3カ月は継続することを推奨している。

レッスン料は3カ月で6万円から。毎日受講すれば1日当たり約300円強であり、一般的な英会話の個人レッスンの約1/5の料金だという。

同社では世界の語学市場規模の大きいアジア市場を重視しており、アメリカ本社幹部が日本に活動拠点を移したとのこと。今後も日本を含めたアジア地域でのビジネスに注力し、新たな製品開発を行っていく。

日本に活動拠点を移した、Rosetta Stone Inc. コンシューマ事業最高責任者 プラグネシュ・シャー氏